日本株運用者の視点

企業取材で見えてくるもの

2016年04月13日

古谷 卓也

古谷 卓也

日本株式 小型株チーム ファンドマネジャー兼アナリスト

小型株のアナリストとして、企業取材は非常に重要なリサーチ活動のひとつです。企業を見るうえで業績の数字など定量的な視点、情報は重要ですが、取材しないと感じられない企業の成長を示唆する定性的な情報も多くあります。それを投資判断につなげることは、人それぞれの主観と経験に基づくものですので定型化できませんが、ファンドマネジャーとして投資候補を絞り込むときに重要な要素だと感じています。加えて、そうした情報は継続して取材、調査しないと出てこない面もあるのですぐに結果には結びつきません。しかし長期的な視点からすると重視できるリサーチ手法のひとつであると思います。

ある例を挙げたいと思います。この会社は一貫してサイクルの上昇、下降局面を通じて設備、人に対する投資を続けてきました。理由は戦略と合致しており一貫しています。加えて人に対する考え方もユニークで、お話を伺う機会を通じて感じたのは一貫して企業の社会的責任に言及されておりそこで働く人に対する幸せと余裕をもって生活できる環境を整える事が企業の活力を支えると考えている事が伝わってきました。

同じような人に対する考え方で面白かったのは、他社のケースですが、新入社員採用の面接を初回からすべて社長が行っている会社があります。その考え方の根本はシンプルでこの先定年まで一緒に働く人ですから自分で見極めたいとの思いが強いとの事でした。これが意味することは一度入ったら最後まで自分の会社で働いてもらいたい、そして責任を持ちたいとの思いだと考えます。定性的な情報ですが、面白いことに両社とも急成長ではありませんが、長期で見ると結果が出ています。
経営陣ではなくその会社で働いていらっしゃる他の方と会うと不思議と前向きな気持ちにさせられることも多々あります。そして思うのはこういった情報は成長性を判断するひとつの要素として重要であるということです。現場に行かないと得ることのできない、投資判断に役立つ情報を求めて日々汗をかくことがやはり重要であると認識した今日この頃でした。

本コラムでは、日本株式運用チームのファンドマネジャー、アナリストが毎月入れ替わりで市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。

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