シュローダー定期便

2015年市場展望 マルチ・アセット市場

2014年12月01日

ヨハナ・カークランド

ヨハナ・カークランド

マルチ・アセット ヘッド

  • 米国が世界景気の回復をけん引している一方、その他多くの主要国では、脆弱な経済環境が継続しています。このような状況下、低成長の経済環境にも対応できる資産クラスを選好していきます。
  • 今後、株式の上昇余地は限定的になると予想されるため、企業収益の増勢が続く市場を追求していきます。
  • コモディティ(商品先物)市場の見通しは依然厳しいものの、足元にかけての大幅な調整後に投資機会が生まれる可能性もあると考えます。

主要国の金融政策に過剰に反応する資産クラスではなく、脆弱な経済成長下でも価値を維持できる資産クラスを選好します。

ここ数年、市場が主要国の中央銀行の金融政策に“踊らされる”傾向が続いていましたが、2015年に向かい、こうした流れにもそろそろ歯止めがかかる時期に差し掛かっているのではないでしょうか。

低成長の経済環境に適合する資産クラスの見極め

国や地域間で景気回復の格差が顕在化していることは、その一方で好材料になり得るとも考えられます。例えば、米国以外の主要国における成長鈍化は、米国におけるインフレの上昇圧力を抑制しているとみられます。また、米ドル高の進行によって、米国景気の恩恵を享受できる国もあります。

世界景気に力強い回復がみられない投資環境では、相対的に割安な資産クラスは景気循環との連動性が高くなる傾向にあります。その結果、投資家の利回り志向が強まり、すでに割高な水準にある資産クラスに資金が流入し、価格がさらに上昇すると言った状況から抜け出せないでいます。

こうした投資環境下、シュローダーのマルチ・アセット運用ではダウンサイド・リスクの回避に重点を置き、主要国の金融政策に過剰に反応する資産クラスよりも、脆弱な経済成長下でも価値を維持できる資産クラスの選別に注力しています。例えば、割高感や流動性低下が懸念される社債などは、利回りの低下(価格の上昇)余地が残されていても、投機的な地合いが強いとみられるため手控えていきます。

企業収益の伸びが一部株式市場の支援材料

今後、株式市場の上昇余地が限定的になると予想されるため、企業収益の伸びが著しい市場やセクターを重視していきます。景気循環に連動している株式については、割安感のある銘柄を見極める必要があります。株式市場の上昇基調のけん引役となっている米国株式は、潤沢な流動性に加え、潜在的収益力や経済成長力が見込まれるため、ポジティブな見通しを維持し、引き続き選好しています。

日本株式市場についても、ポジティブな見通しを維持しています。アベノミクスによる大幅な円安の進行のほか、コーポレートガバナンスの強化、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による国内外株式の組入比率を引き上げる基本ポートフォリオの見直しなどを追い風に、株価の上昇基調が続いています。日本経済の長期的な見通しには不透明感が残るものの、現状では相次ぐ政策の導入が、多くの資産クラスの支援材料となっています。

ユーロ圏では、依然として弱い経済成長が続いており、さらにここにきてドイツ経済までもが輸出先である新興国経済の低迷による打撃を受けています。ユーロ圏経済の立て直しには通貨ユーロの大幅な下落が必要であり、欧州中央銀行(ECB)は追加の政策対応を余儀なくされるとみています。

新興国市場では、主な輸出先である欧州やアジアの経済成長の鈍化と、米ドル高による流動性の低下が引き続き、市場の重荷になると予想します。

コモディティ市況の調整がもたらす投資機会

大方の予想通り、2014年はコモディティ市況の調整色が強まりました。現状のマクロ経済環境はコモディティ市場の下支えにはなっていないものの、原油を含むエネルギー価格の大幅な調整を受けて、2015年には投資機会が訪れる可能性があると見ています。

経済指標の内容に揺れる債券市場

世界的に国債市場は、米国の雇用関連指標の発表内容に左右される状況が続いています。米国を除いた世界経済は脆弱な状態が継続しており、米連邦準備制度理事会(FRB)が早急に利上げを開始する可能性は低いと見ています。英国国債はドイツ国債よりも利回り水準が魅力的であることに加えて、英国の成長モメンタムが落ち込んでいることや、欧州景気の下振れリスクから安全資産として国債への需要が高まっているため、英国国債に対して強気の見方を維持しています。

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