臨時レポート

今後の日本株式市場を支える3つのプラス要因

2015年04月20日

前田 正吾

前田 正吾

取締役 日本株式運用統括

日経平均は3月下旬の取引時間中一時2万円をつけた後、足元では足踏みがみられますが、今後の日本株式相場には更なる上値余地があると考えています。シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社 日本株式運用統括 前田正吾が、今後の日本株式市場を支えると期待される3つのプラス要因について、ご説明します。

プラス要因1:堅調な企業業績

足元の市場は、これから本格化する日本企業の業績発表に注目しています。我々は業績見通しは良好だとみています。2015年3月期の決算は12月までで見ても進捗状況は堅調であり、通期での増益が見込まれています。短期的には、市場の期待を下回る企業が出てきたり、企業の決算ガイダンスが慎重な場合に市場が失望するようなことがあるかもしれません。しかしながら、今年度以降を見通しても、米国景気の堅調な伸びや、国内では消費の回復や設備投資の増加などが業績を押し上げることに加えて、現在の円安、原油安も日本企業の業績には全般的にプラス効果が強く働き、堅調な利益成長が期待されます。2012年11月以降、市場は大きく上昇してきましたが、業績が伸びてきたことが主な要因となっており、バリュエーション面では割高な水準となっていません。欧米市場との比較では、割安と言えるかもしれません。

プラス要因2:コーポレートガバナンスの改善に勢い

2015年は、昨年の日本版スチュワードシップ・コード導入に続いて、企業側の行動規範となるコーポレートガバナンス・コードが導入され、日本企業のガバナンス構造、投資家との対話、株主還元にとって画期的な年となる可能性があります。さらには議決権行使助言会社である、ISS社による経営トップの選任におけるROE(自己資本利益率)基準の導入も影響力があると思われ、興味深い取り組みです。長年、収益力の低さを問題視されていた日本企業が経営方針にROE水準を入れるケースも出てくるなど、収益性を重視した経営には、非常に好感が持てます。結果として、企業が収益性を高め、余剰資金による自社株買いや配当増額などの株主リターン向上策を通じて、日本市場の投資魅力度を高めると見込まれます。また、日本の機関投資家にも大きな変化が現れています。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が昨年10月に基本ポートフォリオを変更し、国内株式比率の引き上げを決定したことを受けて、その他の国内機関投資家にも国内株式比率を引き上げる動きが出始めています。こうした動きは海外の投資家にもプラスのメッセージとなっているようです。

プラス要因3:国内外の経済環境

日本経済の回復は着実に進んでいます。アベノミクス第1の矢である日本銀行による量的・質的金融緩和は強力に進められており、第3の矢、成長戦略にも着実な進展がみえてくると思われます。労働市場には引き続きひっ迫感があり、ベースアップも概ね期待通りの決着が見られており、今後の賃金上昇に期待が持てます。継続的な賃上げは、実質ベースでの雇用者所得のプラス転換につながり、原油安によるサポートもあって、2015年の消費を支えると見ています。さらには、円安による設備投資の国内回帰も目立ってきました。海外では、米国の景気は改善傾向を維持するものと思われ、欧州経済にも底入れの兆しがあります。中国をはじめとした新興国経済には景気失速の懸念が残りますが、危機的な状況に陥るリスクは限定的であると見ています。こうした経済環境は市場を下支えすると考えられます。

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