臨時レポート

ギリシャ債務問題の動向

2015年06月29日

EU(欧州連合)は、6月27日(土)からユーロ圏19カ国の財務相会合を開催し、ギリシャ問題への対応を協議してきましたが、協議は決裂しました。これを受けて、29日(月)の為替相場では、急速なユーロ安が進んでいます。

ギリシャのチプラス首相は、27日(土)に、同国に対する金融支援の条件としてEUが求める、年金改革や税率の引き上げといった財政再建策を受け入れるかどうかを国民投票(7月5日(日))で問うとしました。この対応にギリシャを除くユーロ圏18カ国が反発し、30日(火)に期限を迎えるギリシャ支援プログラムを延長しないことを決めたものです。

これを受け、ECB(欧州中央銀行)は緊急理事会を開催し、ギリシャの銀行向けの緊急流動性支援(ELA)の上限枠(約900億ユーロ)を現状維持とすることを決定しました。これは、ギリシャ国内で大量の預金引き出しにより銀行の資金が枯渇しても、ECBは現行の取り決め以上の資金を供給しないことを意味します。なお、29日(月)は、ギリシャ国内の銀行は休業となる予定です。

今後の予定と金融市場への影響

ECBは「今回の決定を再検討する用意がある」とし、ドラギECB総裁は「ギリシャ中央銀行と引き続き緊密に連携し、ユーロ圏経済の脆弱性に対応するために措置を講じるとのEU加盟各国のコミットを強く支持する」とのコメントを発表しました。

30日(火)にはギリシャはIMF(国際通貨基金)に対する約15億ユーロの債務の返済期限を迎えます。これに関してIMFのラガルド専務理事は、27日(土)に「支払いの猶予は与えない」とのコメントを出しており、ギリシャの返済は困難になると見込まれます。ギリシャでは7月5日(日)にEUが求める財政再建策に対し国民投票を行う予定ですが、銀行休業が長引けば、ギリシャの実体経済への悪影響が懸念されることから、それ以前に何らかの動きがみられる可能性があります。
ギリシャをめぐるこうした展開を受け、ユーロ株式市場、通貨ユーロは当面変動性が高い展開が予想されます。引き続き、今後の事態の進展を注意深く見守っていく必要があります。

ギリシャ問題をめぐる今後の主な予定
6月30日(火)  IMFに対する債務返済期限
7月5日(日)  ギリシャの国民投票
7月20日(月)  ECBに対する債務返済期限(国債償還)

※ユーロ株式とは、ユーロ圏各国の企業が発行する株式です。上記は6月29日現在の情報に基づく見解であり、将来、予告なく変更される場合があります。

 

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