臨時レポート

ギリシャの国民投票を受けた今後の見通し

2015年07月07日

7月5日(日)、ギリシャでEU(欧州連合)が求める財政緊縮策の賛否を問う国民投票が実施され、緊縮反対が賛成を大きく上回る結果となりました。この結果を受けた6日(月)のユーロ株式相場は、MSCI EMUインデックス(トータルリターン、ユーロベース)で-1.9%と下落しました。市場は極端な反応を見せなかったものの、引き続き事態の行方に注目が集まっています。そこで、ギリシャ債務問題が及ぼすユーロ株式相場への影響についてご説明します。

次々と期限の迫る債務の返済や6月29日(月)から続く資本規制の解除には、ギリシャに対する追加支援が不可欠です。7日(火)に行われるユーロ圏首脳会議では、ギリシャのチプラス首相が支援協議再開に向けた新たな提案を示すとされています。ただし、独仏首脳は、「協議の扉は開かれている」としながらも、ギリシャに対して厳しい姿勢を崩していません。また、ギリシャの銀行は、資金繰りを緊急流動性支援(ELA)に依存していますが、欧州中央銀行(ECB)が資金供給額の上積みを行わなかったことから、引き続き休業することとなりました。一方、ギリシャではバルファキス財務相が辞任し、新たな財務相のもとで交渉を再開する姿勢を示しました。7日(火)のユーロ圏首脳会議で支援交渉がどのように進められるのかが注目されます。

ギリシャのデフォルト(債務不履行)や資本規制は、国内経済には打撃となってもユーロ圏経済への影響は限定的と考えられますが、今後の支援交渉の行方次第では、回復基調にあるユーロ圏経済への中期的な影響が懸念されます。しかし、債務削減などに関するギリシャとEUの主張には大きな隔たりがあるだけに、今後のギリシャ支援交渉の展開を見通すのは大変難しい状況にあります。こうしたことから、当面、ユーロ株式、通貨ユーロは変動性が高い展開が予想されます。

一方で、ユーロ株式相場を支える材料が2つ挙げられます。1つ目は、安全網の充実です。欧州安定メカニズム(ESM)や国債購入プログラム(OMT)、ELAなどの仕組みに加え、QE(量的金融緩和)も継続されていることが、市場の安心材料になると期待されます。2つ目は、ある程度株価に織り込まれてきたものの、多くのユーロ圏の企業には更なる利益拡大の余地が残っていることです。今後の利益拡大を考慮すると、ユーロ株式は米国株式と比較して引き続き割安感があると考えています。

※ユーロ圏とは、EU加盟国のうちユーロを通貨として採用している国の総称と定義します。ユーロ株式とは、ユーロ圏各国の企業が発行する株式です。※上記は7月6日現在の情報に基づく見解であり、将来、予告なく変更される場合があります。

 

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