臨時レポート

ECBが一連の追加金融緩和策を発表

2016年03月11日

財政を含む各国政府の政策発動への期待を示唆

 3月10日、欧州中央銀行(ECB)は、政策金利の引き下げを発表しました。主要政策金利であるリファイナンス金利を0.05%引き下げ、0.00%とし、また、中銀預金金利を0.10%引き下げ、-0.40%とすることを決定しました。量的金融緩和(QE)プログラムの資産買い入れ規模については、月間で200億ユーロ増額し、月800億ユーロへと拡大しました。これを4月から実施し、資産購入の対象として、ユーロ圏の銀行を除く企業の投資適格社債を加えることとしました。加えて6月から、期間4年の貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO II)を新たに4回実施することを決定し、より多くの融資を実施する銀行に対しては、金利が中銀預金金利と同水準まで低くなり得るとしました。

 こうした政策決定は、ユーロ圏の2016年、2017年のインフレ率予想をそれぞれ0.1%(従来1.0%)、1.3%(従来1.6%)に下方修正したこと、成長率予想も下方修正したことが影響しています。

 今回の政策決定は、市場の予想を上回ったことが一時好感されたものの、その後ドラギECB総裁が一段の利下げが必要だとは考えていないと発言したことで、市場には失望感が広がりました。この発言により、株式市場は下落に転じると同時に、ユーロは対ドルで上昇しました。また、ドイツ国債の利回りも上昇しました。

 今回の金融緩和によって銀行の貸し出し意欲が高まることで、今後、企業の設備投資拡大が期待されます。しかし、マイナス金利の効果には不透明な面があることに加え、足元では世界的に企業の設備投資意欲が減速していることには留意する必要があります。また、ドラギECB総裁が示唆したように、今後、財政を含む各国政府の政策発動が注目されます。

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