臨時レポート

欧州中央銀行の量的緩和決定による株式市場への影響

2015年01月23日

ローリー・ベイトマン

ローリー・ベイトマン

欧州(英国含む)株式ヘッド

欧州中央銀行(ECB)は2015年1月22日に、毎月6,000億ユーロ(約8兆円)のユーロ圏の国債・政府機関債等の買い入れによる量的金融緩和を、少なくとも2016年9月まで、インフレ率が2%に向かう目処が立つまで行うとの発表を行いました。これは市場の期待を上回る内容で、最近の原油価格の下落に拍車をかけられた、ドラギECB総裁のユーロ圏におけるデフレ懸念を反映したものと言えるでしょう。

ドラギ総裁は、債務の共通化(mutualisation-債券が債務不履行となった際に、各国政府ではなくECBがその損失を被ること)の問題は、この政策の有効性に影響を与えない見当違いな指摘だと否定しました。シュローダーでは、来るギリシャの総選挙を控え、ECBと各国政府の間でのリスクの明確な分担は起こりにくく、今回の量的金融緩和はユーロ圏にとって大変強力な金融刺激策であると、額面通りに受け止めたいと考えています。

詳細は今後はっきりしてくると思われますが、今回の決定は欧州の資産、特に欧州株式にとってポジティブなものと考えます。他の国での量的金融緩和のもとで株式は良好なパフォーマンスを示しましたが、欧州もその例に続くと期待されます。既にユーロは他の通貨に対して下落していますが、ユーロ安の流れは量的金融緩和の導入により今後も続くと予想されます。これは多くの欧州の輸出企業に恩恵をもたらすもので、原油安と個人消費への好影響が相まって、今年の企業収益にポジティブなインパクトを与えると期待されます。

ただし、金融政策単独では欧州の経済成長の見通しを変えるには不十分です。とはいえ、ECBの今回の決定は、非常にポジティブと考えられます。シュローダーでは、今後の欧州経済成長の回復は緩やか、かつ不安定なものになると想定していますが、欧州株式は他の市場と比較して割安と考えられ、上昇する大きな可能性を持っていると考えています。為替による追い風(ユーロ安)、原油安、そして銀行部門の正常化・健全化を踏まえると、欧州企業の収益見通しは好転しつつあると予想されます。

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