欧州情勢アップデート

2019欧州議会選挙の見通し

2019年5月17日

ポピュリスト・欧州懐疑派の躍進、しかしその影響は限定的か?

【2019 欧州議会選挙】

 欧州連合(EU)加盟各国では、 5月23日から26日にかけて欧州議会選挙が実施されます。欧州議会は、共同立法の権限を有し、EUの立法機能を担っています。議員は各加盟国の国民による直接普通選挙を通じて選出され、1979年から5年毎に実施されています。1979年以来、中道右派でキリスト教民主党系の「欧州人民党(EPP)」、中道左派で社会民主党系の「社会民主進歩同盟(S&D)」が、2大政治会派を形成しています。

【2019 欧州議会選挙の注目点】

 欧州では2015年から2016年にかけて大量の難民が流入し、移民に対して食料・水や避難所を提供することが国によっては多大な負担となるなど、EU各国は様々な課題に直面しています。経済や雇用を取り巻く環境が長期に亘り低迷する中にあって、EU加盟各国の総選挙や大統領選挙では、大衆迎合主義的なポピュリスト政党の躍進、連立内閣への入閣、ポピュリスト政党による連立内閣の誕生といった動きが出ています。

 このような環境下、今回の欧州議会選挙では、ポピュリスト、欧州懐疑派勢力がどこまで議席を拡大するのかに注目が集まっています。

【2019 欧州議会選挙の見通し】

 最近の調査*では、EPP と S&D 2つの政治会派を合わせても議席の過半数獲得には届かない可能性が指摘されています。仮にポピュリスト・欧州懐疑派勢力が躍進した場合、EU主要人事**(欧州委員会委員長候補者の選出など)や諸政策に係わる政治会派の連立交渉が難化・複雑化することが考えられます。

 一方、現時点においてはポピュリスト・欧州懐疑派が議席の過半数を獲得する状況は考えにくいことから、これら勢力の躍進に伴う欧州政治への影響は限定的なものに留まると思われます。

* EUROPE ELECTによる調査 ** ユンケル欧州委員会委員長は10月末、トゥスク欧州理事会議長は11月末にそれぞれ任期満了

 


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