日本株運用者の視点

ロボットの成長性について

2019年5月14日

古谷 卓也

古谷 卓也

小型株チーム ファンドマネジャー兼アナリスト

日本では長期的な人口動態から中期的に製造業、非製造業を問わずに人手不足が続くと予想されています。世界に目を向けても、新興国での賃金上昇により人手に頼った単純作業が収益性の観点から割に合わなくなってきています。そのため、生産性向上の観点や品質向上(人によるばらつきを抑えるため等)を目的とした生産プロセスの自動化、ひいてはロボットの活用がさらに進む事が予想されます。私もアナリストとして数多くの工場を訪れて調査する機会があるのですが、ここ数年の自動化のスピードの加速は現場からもひしひしと感じ取れます。これは日本の現場、そして新興国の現場でも同じです。ロボットなどを含むハードウェアを使った自動化の進展の一つの背景として、センサーやカメラの精度向上に加えて価格低下により得られるコストダウンが投資採算に見合うようになってきたこともあります。こうした展開により、いままで取り入れてなかったような製造現場や工程(複雑で精度の求められる分野など)にもロボットの導入が進むと考えています。ロボットは中期的に成長性という魅力度が高く日本企業が強みを発揮し、成長の果実を得られる分野であると思っています。

このような動きの中、日本株式市場には投資機会は豊富にあります。ハードウェアや部品ももとより、自社で培ったロボットなどを活用した自動化技術、インテグレーション・ソリューションを外販して無形固定資産のマネタイズをはかる動きが興味深く、有望だなとみています。なぜなら、自動化、ロボット市場において、ハードの市場規模に匹敵するシステムインテグレーション市場が存在するからです。この分野は各企業が独自に無形資産という形でノウハウを蓄積してきており、これを有効に使うことで自社内での生産性向上などに加えて、外販することで事業成長にもつなげられるなど、企業の付加価値を高める可能性があります。日本は世界中でもトップクラスの単位当たりロボットの導入台数実績が多い国であり、ノウハウの蓄積は膨大にあります。これに新しいセンシング、AIを導入して新しいINDUSTRY4.0の流れに乗り、非連続的な成長を実現出来る企業を探していきたいと思っています。また、ロボットの導入は、単純作業、危険な作業から人を解放し、ESG投資の観点から社会的貢献することにもつながる動きだと思っています。こういった考え方から通常の投資の物差しではおし量れない可能性をさぐっていき、リターンを挙げることにつなげられればと考える今日このごろです。

 

  本コラムでは日本株式運用チームのファンドマネジャーやアナリストが毎月入れ替わりで、市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。

 

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