日本株運用者の視点

5Gが世界を変える!日本企業への影響を探る


三浦 隆史

三浦 隆史

日本株式ファンドマネジャー

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次世代の通信規格として5Gの注目度が上がっています。雑誌や新聞でも5Gが取り上げられる機会が増えており、人気お笑い芸人のYoutube番組でも5Gを解説した動画が300万回以上も再生されて、一般の人まで広く知れ渡ってきました。

通信ネットワークは2000年代の3G、2010年代の4G、そしてこれから普及が広がる5Gと進化してきました。5Gには①高速大容量(4Gと比べて20倍の通信速度)、②低遅延(同、10分の1の遅延)、③多数同時接続(同、10倍の同時接続数)という3つの大きな特徴があります。私たち一般消費者にとって分かりやすい最初の変化は通信速度です。スマホの通信速度が今の20倍になると、2時間の映画がわずか3秒でダウンロードできるようになるとも言われています。

しかし産業界にとってより影響が大きいのは、①高速大容量よりも、むしろ②低遅延と③多数同時接続の方です。低遅延の信頼性が高まれば、自動運転や遠隔医療の実現につながります。これらの分野ではコンマ数秒の通信の遅れが命取りになるので、普及には5Gのネットワークが必要不可欠となります。また、多数同時接続が実現すれば、IoT社会になってたくさんのセンサーがインターネットに接続しても問題なく機能するようになります。5Gが本格的に普及すると、自動運転、工場や建設現場の自動化、VR・ARの普及など、様々な分野への活用が期待されています。

気になる5Gの導入スケジュールですが、アメリカや韓国ですでに5Gの商用サービスが部分的に始まっています。中国では今年11月からサービスが始まり、日本でも2020年春ごろからのサービス開始が予定されています。イギリスの調査会社の報告によると、5Gは2035年までに13.2兆ドルもの経済効果を生み出すと予測されています。

期待先行で株価がすでに上がっている5G関連銘柄もありますが、5Gの開発や普及が実際に進むのはまだまだこれからです。テーマ相場による株価形成という観点で考えると、まずは期待先行でバリュエーションが切り上がり、その後実際に業績への影響が表れて利益の拡大とバリュエーションの正常化が起こります。また、企業が扱っている製品・サービスによって5Gから恩恵を受ける時期も変わります。

例えば、通信ネットワークの計測機器は5Gの開発段階から使われるため、2018年からすでに需要が出ています。現在は5Gに対応したデバイスが少ないので、5G端末に使われる部品や材料の需要はまだ大きくありません。しかし一方で5Gのインフラ整備が各国で活発に行われているため、5G用の通信基地局で使われる部品の需要が現在好調です。このように、5G関連の需要は①通信規格の開発需要→②インフラ整備需要→③デバイス需要、と順番に盛り上がることになります。

5Gはこれから先10年かけて世界を変えていく大きなテーマだと考えています。様々な業界・会社に影響を与える大きな変化ですが、各社の業績に影響が表れる時間軸は一様ではありません。各社の株価が市場のどんな期待を織り込んでいるのか、そして実際に業績に影響が出てくるタイミングを精査して、銘柄選択をしていきたいです。

 

  本コラムでは日本株式運用チームのファンドマネジャーやアナリストが毎月入れ替わりで、市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。

 

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