日本株運用者の視点

社会的要請に技術進歩で応える企業に注目


佐々木 健太郎

佐々木 健太郎

日本株式 セクターアナリスト

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新型コロナウイルスの感染拡大が社会にもたらしている混乱により、株式市場は変動が大きい状況が続いています。企業収益への短期的な影響や、株価底入れのタイミングを予測することは簡単ではありません。しかし、長期的な観点で見れば、今回の社会的混乱から生じる新たな需要に注目することで、将来の成長企業に割安に投資できる好機が到来していると考えています。私が担当する電気機器や電子部品などのテクノロジー業界でも、現在の混乱の中で新たな成長の芽が生まれている可能性が大いにありそうです。

世界中で外出制限が拡大していることで、様々な消費やサービスの需要が落ちていますが、一方でデータ通信量が急増しており、データセンターの稼働率が上昇しています。これは、在宅勤務でリモートワークシステムやビデオ会議の利用が増加したり、イベント中止を受けて家庭で楽しめる動画配信サービスの利用が拡大したり、また休校措置に伴いオンライン授業の利用拡大が進んでいることが要因とみられます(目下のところ、オンライン「授業」よりオンライン「ゲーム」の利用拡大の影響が大きいかもしれません)。

これらの中には一時的な現象もありますが、人々の働き方、遊び方、学び方の変化として恒久的に残るものもあると考えています。たとえば、アナリスト向けの会社説明会は感染拡大以降ほとんどがオンラインや電話会議になっていますが、参加者にとっては移動時間の節約になって効率的ですので、感染が落ち着いても元の説明会の形態には戻らないかもしれません。学校や学習塾の中には授業をオンラインで公開するところがありますが、好評であればそのまま正式なサービスになるかもしれません。このようにテクノロジーの新たな利用形態が定着することで、電子機器や通信サービスへの消費者の需要を押し上げ、コンピュータや通信設備への事業者の投資を拡大させ、設備や機器に搭載される半導体・電子部品やそれらの製造装置の需要を拡大させるでしょう。

テクノロジー企業はこれまでも、技術進歩によって新たな需要を生み出し、成長してきました。一昔前の技術では、今日のような在宅勤務やオンライン授業の導入は難しかったと思います。ただ、現在のテクノロジーでも、オフィスでの勤務や学校での授業に比べればまだ不十分なところは多く、今後、より革新的な機器やサービスが社会的に必要とされ、新たな需要が創造されるでしょう。こうした社会的要請を成長機会にできる企業を発掘し、現在の株価下落を投資の好機として参ります。

 

  本コラムでは日本株式運用チームのファンドマネジャーやアナリストが毎月入れ替わりで、市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。

 

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