変わるもの、変わらないもの


ウィズコロナ、ポストコロナについては当コラムでも同僚が様々な内容で執筆してきましたが、今回はソーシャルディスタンス・三密回避にまつわる「変わるもの、変わらないもの」について書きたいと思います。

今回、アナリストにとって一番大事な本決算の発表が今回緊急事態宣言の真最中となってしまったことで、私たちの行動様式は必然的に、それも心の準備なしに、変わってしまいました。今までは、決算発表当日の電話会議を除き、社長による会社説明会、マネジメントとの少人数・個別面談やIR Day、数字を詰めるIRとの面談は、物理的な対面が基本でした。今回は、ほぼ電話かウェブ会議となり、移動時間が無くなるメリットはありましたが、少人数・個別ミーティングでの質疑応答を円滑に行うのは難しくなりました。

新型コロナウィルスが収束しても、大人数での説明会は今まで通りには戻らないでしょう。質疑応答の際、ウェブ配信で登壇者の表情が見られれば、移動時間節約のメリットの方が大きそうです。一方、少人数や個別の面談は対面方式が復活すると感じています。金融セクターでは電話会議が多かったこともあり、お互いの顔を見ながら阿吽の呼吸で質問を重ねることで本音を引き出したり、回答者の表情を見ながら質問の順番を変えたり、という戦術は余り使えませんでした。特に新社長との面談では声の感じだけでは状況が判断できず手探り状態となってしまい、大変苦労しました。これは慣れの問題ではなく、例えアクリル板越しになったとしても直接面談するメリットは変わらず意識されると考えます。

担当する金融セクターで想定以上の速さで変わったのは、非対面・非接触サービスに対する顧客の受け入れ姿勢です。今までも金融機関は、電話やインターネットによる取引への移行を進めようとしてきましたが、顧客は総じて消極的でした。新型コロナウィルスは高齢者が感染したときの重症化リスクが高いとされたため、スマホアプリを使った銀行取引やキャッシュレス決済への移行が進みました。一方で、相続、人生設計を含めた資産運用や保険の相談、事業承継やM&Aには対面によるコンサルティングが有効であることが再認識されました。実際、第一四半期決算では資産運用や法人コンサルティング関連の手数料は多くの金融機関で弱かったです。今までは営業による訪問が前提となっていましたが、既存の顧客からは対面・非接触型のウェブ会議の希望が出るくらいだったという話も聞きました。なお、新規顧客開拓には少なくとも最初は対面・接触型による面談が効果的ということでした。人と人との信頼関係を築くための対面の重要性は変わらないということです。

変化はないと思われがちな金融セクターでも変化が起きています。この変化の流れを掴み成長する企業や変わらないものを強みとする企業を見つけて投資アイディアを出していきたいと考えています。

 

  本コラムでは日本株式運用チームのファンドマネジャーやアナリストが毎月入れ替わりで、市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。

 

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