経済&市場見通し(定期)

マクロ経済見通し 2018年3月

シュローダーのエコノミスト・チームによる、マンスリー・マクロ経済見通し

2018年03月06日

キース・ウエ―ド

キース・ウエ―ド

チーフ・エコノミスト

アザド・ザンガナ

アザド・ザンガナ

シニア欧州エコノミスト兼ストラテジスト

クレッグ・ボサム

クレッグ・ボサム

新興国市場エコノミスト

基本シナリオ
 世界
2018年の経済成長見通しについては3.5%(2017年は3.3%)、インフレ見通しについては2.4%を見込んでいます。また2018年の米国コアインフレ率は2%を超える水準に回復する見通しで、過熱や冷え込みのない適度な相場環境(ゴルディロックス相場)は、リフレーション*が進行する経済環境へ変化していくでしょう。尚、2019年については、経済成長見通しは3.3%にやや減速、インフレ見通しは2.6%を見込んでいます。
 米国

2018年の米国経済成長見通しは、財政面での景気刺激策の効果を加味し3.1%程度、2019年は2.9%を見込んでいます。米連邦準備制度理事会(FRB)は保有資産の縮小に着手しており、コアインフレ率が上昇する中、FRBは2018年に4回、2019年に2回の利上げを実施し、政策金利を3.0%まで引き上げると予想しています。

 英国

2018年の英国経済成長見通しは、1.7%と見込んでいます。インフレ率については、2017年に押し上げ要因となった英ポンド安の影響が薄れ、エネルギー価格や国内要因主導となることが見込まれることから2.5%程度にまでやや落ち着くとみています。一方、2019年の見通しについては、ブレグジット(英国の欧州連合(EU)離脱)の影響から不透明であると考えています。英国による単一市場への部分的なアクセスが認められる形でEUと合意に達すると想定していますが、その場合、英国は貿易面での混乱や、新たな関税の導入に伴うインフレ率の上昇に直面すると考えられます。尚、イングランド銀行(BOE、英中央銀行)は2018年に1回、2019年に2回の利上げを実施すると予想されます。

 ユーロ圏

ユーロ圏については、堅調なマクロ経済指標や政治リスクの後退を背景に2018年も引き続き力強い成長が持続すると考えられ、2.6%程度の経済成長を見込んでいます。また、ユーロ圏経済の生産余力は十分であることから、インフレ率は低く抑えられるも、緩やかな上昇基調になると予想します。欧州中央銀行(ECB)は、2018年9月に量的緩和政策を終了する見通しで、2019年には3回の利上げを実施し、リファイナンス金利を0.75%、中銀預金金利を0.25%まで引き上げると予想しています。

 日本

2018年の日本経済成長見通しは、2017年からほぼ横ばいの1.5%を見込んでいます。インフレ率については、原油価格の上昇が見込まれることから1.1%に上昇すると予想しています。10年物国債の利回りを0%程度に誘導するイールドカーブ・コントロールの誘導目標は、2018年10-12月期に0%から0.1%に引き上げられると予想しています。

 エマージング諸国

エマージング諸国経済については、中国の経済成長見通しの引き上げに伴い、2018年の経済成長見通しを5.1%、2019年を5%に上方修正しました。

今後想定される他のシナリオ

基本シナリオ以外で今後考えられるシナリオとしては、「経済の長期停滞」や「金利上昇・資金調達コスト上昇による停滞」がもたらすデフレ・リスク・シナリオをはじめ、「労働市場での需給ひっ迫」や「世界的な保護主義の台頭」がもたらすスタグフレーション**・リスク・シナリオ、「米財政出動の影響から世界的に成長が加速、資源価格の上昇や労働市場での需給ひっ迫からインフレ率が上昇し、金融当局が引締め姿勢を強化する」リフレーション・リスク・シナリオなどが挙げられます。また、「需要拡大に伴い企業が生産性向上を目的とした投資を拡大、結果として生産量が拡大、競争からインフレ率が抑制される状況」がもたらす生産性向上シナリオも考えられます。

*リフレーション:デフレーションからは脱したが、インフレーションには達していない状態。**スタグフレーション:景気後退と物価上昇が同時に起こること。

 

世界の実質GDP成長率見通し


レポートの続きはこちら

 

本ページに記載された見解はシュローダーのエコノミクス・チームによるものであり、必ずしも他のシュローダーの見解と同一であるとは限らず、シュローダーが提供する運用戦略やポートフォリオに反映しているものでもありません。将来の動向や予測の実現を保証するものではなく、市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。予測値は将来の傾向を例示することを目的とするものであり、その実現を示唆あるいは保証するものではりません。実際には予測値と異なる結果になる場合があります。
【本ページに関するご留意事項】 本ページは、情報提供を目的として、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が作成、あるいはシュローダー・グループの関係会社等が作成した資料を弊社が和訳および編集したものであり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。英語原文と本ページの内容に相違がある場合には、原文が優先します。本ページに示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。本ページは、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、弊社はその内容の正確性あるいは完全性について、これを保証するものではありません。本ページ中に記載されたシュローダーの見解は、策定時点で知りうる範囲内の妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。本ページ中に個別銘柄、業種、国、地域等についての言及がある場合は例示を目的とするものであり、当該個別銘柄等の購入、売却などいかなる投資推奨を目的とするものではありません。また当該銘柄の株価の上昇または下落等を示唆するものでもありません。予測値は将来の傾向を例示することを目的とするものであり、その実現を示唆あるいは保証するものではりません。実際には予測値と異なる結果になる場合があります。本ページに記載された予測値は、様々な仮定を元にした統計モデルにより導出された結果です。予測値は将来の経済や市場の要因に関する高い不確実性により変動し、将来の投資成果に影響を与える可能性があります。これらの予測値は、本ページ使用時点における情報提供を目的とするものです。今後、経済や市場の状況が変化するのに伴い、予測値の前提となっている仮定が変わり、その結果予測値が大きく変動する場合があります。シュローダーは予測値、前提となる仮定、経済および市場状況の変化、予測モデルその他に関する変更や更新について情報提供を行う義務を有しません。本ページ中に含まれる第三者機関提供のデータは、データ提供者の同意なく再製、抽出、あるいは使用することが禁じられている場合があります。第三者機関提供データはいかなる保証も提供いたしません。第三者提供データに関して、弊社はいかなる責任を負うものではありません。シュローダー/Schroders とは、シュローダー plcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。本ページを弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。