経済&市場見通し(定期)

マクロ経済見通し 2018年12月

シュローダーのエコノミスト・チームによる、マンスリー・マクロ経済見通し

2018年12月6日

キース・ウエ―ド

キース・ウエ―ド

チーフ・エコノミスト

アザド・ザンガナ

アザド・ザンガナ

シニア欧州エコノミスト兼ストラテジスト

クレッグ・ボサム

クレッグ・ボサム

新興国市場エコノミスト

ピヤ・サチャデワ

ピヤ・サチャデワ

エコノミスト

基本シナリオ
 世界

2018年の世界経済成長見通しについては3.3%を見込む一方、2019年から2020年にかけては2.9%、2.5%に減速すると見込んでいます。インフレ見通しについては2019年に2.9%までの上昇を見込む一方、2020年には2.7%にやや低下すると見込んでいます。また、米中間の貿易を巡る対立は2019年も継続する見通しです。

 米国

2018年の米国経済成長見通しは、2.9%、2019年は2.4%を見込んでいます。コアインフレ率が上昇する中、米連邦準備制度理事会(FRB)は2019年6月に向けて3回の利上げを実施し、政策金利を3.0%まで引き上げ、利上げを打ち止めにすると予想しています。、財政面での景気刺激策の効果が薄れるのに伴い2020年の経済成長は1.3%に減速するとみられ、FRBは経済の軟着陸に向けて利下げに踏み切るとみています。

 英国

2018年の英国経済成長見通しは1.2%を見込んでいますが、潜在的な財政出動などの可能性を踏まえ、2019年は1.4%、2020年は1.5%の成長を見込んでいます。またインフレ率については、通貨ポンド高の影響などから2019年は1.8%に低下することが見込まれるものの、2020年には2.1%に上昇するとみています。イングランド銀行(BOE)は、2018年内は政策金利を据え置く一方、2019年および2020年にそれぞれ2度の利上げを実施すると予想しています。

 ユーロ圏

2018年のユーロ圏経済成長見通しは1.9%、2019年は米中貿易摩擦の影響から1.6%に減速すると見込まれます。インフレ見通しについてはコアインフレ上昇の影響から当初は上昇が予想されるものの、2020年末に向けてはエネルギー価格の下落やユーロ高などの影響から2%以下で推移する見通しです。欧州中央銀行(ECB)は、2018年内に量的緩和政策を終了する見通しで、2019年に2度、さらに2020年に2度の利上げを実施し、2020年末までにリファイナンス金利を1.0%、中銀預金金利を0.5%まで引き上げると予想しています。

 日本

2018年の日本経済成長見通しは0.9%、2019年は1.0%とほぼ横ばいでの推移を見込んでいますが、来年10月には消費税増税が予定されており、増税に伴う消費の鈍化など経済活動への影響も予想されることから2020年はゼロ成長を見込んでいます。インフレ率は2019年も低位安定が続くと予想され、金融緩和の副作用に対する懸念が強まる中、日本銀行は2019年に再度イールドカーブ・コントロールに調整を加え、2020年末には政策金利を0%に引き上げると考えます。

 エマージング諸国

2018年のエマージング諸国経済見通しは4.8%を見込んでいますが、2019年、2020年については4.5%に減速する見通しです。BRIC諸国は総じて国内経済が堅調に推移しており、米中間の貿易摩擦など外的要因の影響を受けることは予想されるものの、2020年に向けて成長は続くと考えています。ただし、中国経済については米中間の関税引き上げなどの影響から緩やかな減速が続くと予想しています。

今後想定される他のシナリオ

基本シナリオ以外で今後考えられるシナリオを総括しますと、スタグフレーション*・シナリオの可能性が高く、2019年を通じてFRBが過度な金融引き締めを実施した結果2020年に米国景気が後退するとする「2020年の米国景気後退」シナリオなども挙げられます。

*スタグフレーション:景気後退と物価上昇が同時に起こること

世界の実質GDP成長率見通し



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