経済&市場見通し(定期)

マクロ経済見通し 2019年7月

シュローダーのエコノミスト・チームによる、マンスリー・マクロ経済見通し

2019年7月3日

キース・ウエ―ド

キース・ウエ―ド

チーフ・エコノミスト

クレッグ・ボサム

クレッグ・ボサム

新興国市場エコノミスト

ピヤ・サチャデワ

ピヤ・サチャデワ

エコノミスト

基本シナリオ
 世界

2019年の世界経済の成長率については2.8%、2020年は2.6%に減速すると見込んでいます(2018年は3.3%)。インフレ率については、2019年は2.6%、2020年は2.7%を見込んでいます(2018年は2.7%)。また、米中間の通商協議は、12月頃には概ね決着すると考えていますが、これまでに取られた措置による実体経済への影響は2019年、2020年も引き続き残ると考えます。

 米国

2019年の米国経済の成長率は2.6%、2020年は1.5%に減速すると見込んでいます。米連邦準備制度理事会(FRB)は、2019年7月および9月に利下げを実施すると予想しており、さらに景気刺激を企図した財政政策の効果が薄れ、経済が減速するのに伴い、2020年には更に2回の利下げを実施するとみています。

 英国

2019年および2020年の英国経済の成長率は2018年と同程度の1.4%で維持されると見込んでいます。またインフレ率については、通貨ポンド高の影響などから2019年は2.0%に低下することが見込まれるものの、2020年には2.3%に上昇するとみています。イングランド銀行(BOE)は、2020年に1回の利上げを実施すると予想しています。

 ユーロ圏

2019年のユーロ圏経済の成長率は、米中貿易摩擦やブレグジット(英国の欧州連合(EU)離脱)の影響から1.2%に減速すると見込んでいます(2018年は2.0%)。2019年のインフレ率については、2%以下で推移する見通しです。その中、欧州中央銀行(ECB)は、2020年末まで政策金利を据え置くと予想しています。

 日本

2019年の日本経済の成長率は0.9%に減速すると見込んでいますが(2018年は1.1%)、今年10月には消費税増税が予定されており、増税に伴う消費の鈍化など経済活動への影響も予想されることから、2020年の成長率は0.2%を見込んでいます。インフレ率が2%以下で推移する限り、日本銀行によるイールドカーブ・コントロール政策の変更は見込んでいません。

 エマージング諸国

2019年のエマージング諸国経済の成長率は、4.4%に減速すると見込んでいますが(2018年は4.8%)、2020年については4.6%にやや回復する見通しです。BRIC諸国は、総じて内需を中心に経済が堅調に推移しており、米中間の貿易摩擦など外的要因の影響を受けることは予想されるものの、2020年に向けて成長が続くと考えています。ただし、中国経済については米中貿易摩擦の緩和から恩恵を受けるものの、緩やかな減速が続くと予想しています。

今後想定される他のシナリオ

足元での貿易摩擦懸念の高まりを受け「貿易戦争:米国 対 その他の国々」シナリオの発生確率が高まったことから、基本シナリオ以外で今後考えられるシナリオを総括すると、スタグフレーション*・シナリオの可能性が高いといえます。個別のリスクシナリオでは、財政政策の効果が薄れるに伴い2020年に米国景気が後退するとする「2020年の米国景気後退」シナリオが、引き続き発生確率が最も高いシナリオであると考えています。

*スタグフレーション:景気後退と物価上昇が同時に起こること

 

世界の実質GDP成長率見通し


 

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