マクロ経済見通し 2019年12月


基本シナリオ
 世界

2020年の世界経済の成長率は、新興国経済の加速が先進国経済の減速を相殺すると見込むことから2.6%程度の安定的な推移を見込んでいます(2019年見通しは2.6%)。2021年にかけて景気サイクルが延長され、当面は景気後退には陥らないと考えており、インフレ率についても2020年は2.5%程度で安定的に推移すると考えます。

 米国

2020年の米国経済の成長率は1.8%に減速すると見込んでいます(2019年見通しは2.3%)。コアインフレ率は引き続き上昇基調を辿り、2021年に減速し始めると考えますが、エネルギー価格は低位で推移することを見込むことから2020年のインフレ率は2.1%程度で収まると見込んでいます。経済成長率の減速から、米連邦準備制度理事会(FRB)は、2020年4月に1回、2021年に1回の利下げを実施すると予想しています。

 英国

2020年の英国経済の成長率は、0.8%に減速すると見込んでいます(2019年見通しは1.3%)。12月の総選挙については、保守党の勝利を予想しており、2020年1月末には英国は欧州連合(EU)を離脱、その後移行期間に入ると見込んでいます。2020年のインフレ率は、原油価格や経済成長の低迷、英ポンドの回復が見込まれることから1.4%程度に減速すると考えます。2021年にインフレ率は上昇し、イングランド銀行(BOE)は利上げに踏み切ると予想しています。

 ユーロ圏

2020年のユーロ圏経済の成長率は1.2%、インフレ率は1.3%程度と安定的な推移を見込んでいます。2021年は経済成長率、インフレ率共に小幅な上昇を見込んでいますが、インフレ率は1.5%程度にとどまると考えることから、欧州中央銀行(ECB)は2020年1-3月期に利下げを実施し、2021年にわたり量的緩和を維持すると考えます。

 日本

消費税増税の影響から、2020年の日本経済の成長率は0.2%に減速すると見込んでいます(2019年見通しは0.8%)。経済活動支援やインフレ率引き上げを企図して日本銀行は今年12月に利下げに踏み切ると予想しています。

 エマージング諸国

2020年のエマージング諸国経済の成長率は、 BRIC諸国経済の回復を見込むことから4.5%程度に加速する見通しです(2019年見通しは4.1%程度)。中国経済については減速を見込んでおり、2021年には中国経済の成長率は6%を下回り、5.5%程度となる見通しです。インフレ率については、中国での豚の伝染病がもたらす食品価格の高騰を除いては、抑制された水準で推移すると見込んでおり、エマージング諸国の中央銀行はさらなる緩和政策を実施することが可能となると考えます。

今後想定される他のシナリオ

基本シナリオ以外で今後考えられるシナリオを総括すると、デフレーション・シナリオの可能性が高いといえます。個別のシナリオでは、デフレーション・シナリオである「米大統領選挙:左派政権の勝利」が、発生確率が最も高いリスクシナリオであると考えています。次いで、同じくデフレーションシナリオの「世界景気後退」が発生確率の高いリスクシナリオとして挙げられます。

 

 

世界の実質GDP成長率見通し

 

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