マクロ経済見通し 2020年9月


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基本シナリオ
 世界

2020年の経済成長率見通しは、主に米国経済見通しの改善から-4.6%に引き上げました(前回の見通しは-5.4%)。引き続き、家計や企業は慎重な姿勢を維持すると考えておりますが、米国中心に2020年4-6月期GDPが予想を上回ったことが引き上げの背景です。2021年については、緩和的な財政政策、金融政策が維持され、2021年半ばまでには新型コロナウイルスのワクチンが実用化されると見込むことから、5.1%に上昇すると考えます。米大統領選挙では、バイデン氏の当選を予想しており、米中貿易摩擦は若干の緩和が見込まれますが、中国は第一段階合意の内容を順守できない可能性から、米中貿易摩擦懸念は引き続き強く残ります。

 米国

2020年の米国経済成長率は、2020年4-6月期GDPが予想を上回ったことから、見通しを-4.1%としています(前回の見通しは-8.2%)。 需要の低迷は一時的と考えており、年末に向け徐々に回復することが見込まれます。ただし、2021年内に新型コロナウイルス発生以前の水準まで経済活動が回復するとは考えていません。また、原油価格や需給ギャップは低水準での推移が見込まれることから、2021年内はインフレは2%以下で推移すると考えており、 米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を0.25%で維持すると見込んでいます。

 英国

英国経済については、2020年後半には低迷している需要が回復へ向かい、2021年の英国経済成長率は6.2%に回復すると見通しています。インフレ率については、2020年はエネルギー価格の低迷や、飲食や宿泊などのサービス業に適応される付加価値税引き下げの影響ににより0.3%程度に低下すると見込んでいますが、2021年は、1.7%程度に上昇すると考えています。また、イングランド銀行(BOE)は政策金利を据え置くとみています。

 ユーロ圏

ユーロ圏経済の成長率については、ロックダウンが緩和されたことから、2020年後半は緩やかな回復へ向かうと考えています。インフレ率については、エネルギー価格の低迷やドイツの付加価値税引き下げの影響などにより、目先、マイナス圏に低下する可能性があると考えますが、 2020年のインフレ率は0.3%を予想しています。2021年の2020年のインフレ率は、1.1%に上昇すると考えますが、欧州中央銀行(ECB)が、量的緩和を維持できる水準であり、政策金利についても据え置きが見込まれます。

 日本

日本における新型コロナウイルス感染再拡大が、当面は日本経済回復の足かせになりますが、財政支援策や貿易の回復が下支えとなり、2020年の日本経済の成長率見通しを-4.6%としています(前回の見通しは-5.4%)。企業や家計は慎重な姿勢を維持することが見込まれることから、内需は低水準での推移が続くと考えます。一方、インフレ率はマイナス圏に低下すると考えており、日本銀行は政策金利を据え置き、量的緩和政策を維持すると考えます。

 エマージング諸国

2020年のエマージング諸国経済の成長率は-2.7%への低下を見込んでいます。中国経済は産業セクターがけん引し、回復へ向かい、2021年の中国の経済成長率は7%程度に回復すると考えます。2020年のインフレ率見通しは3.6%、2021年も同水準で推移すると考えます。 

今後想定される他のシナリオ

基本シナリオ以外で今後想定される景気シナリオには「新型コロナウイルス第2波(W字型)」、「世界経済急回復(V字型)」、「民間セクターの低迷(L字型)」が挙げられます。なかでもデフレーション・シナリオである「新型コロナウイルス第2波(W字型)」が、発生確率が最も高いリスクシナリオであると考えています。

 

 

世界の実質GDP成長率見通し

 

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