マクロ経済見通し 2020年12月


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基本シナリオ
 世界

当面は、予想を下回る規模の米国財政刺激や、欧州における移動制限などの新型コロナウイルス感染防止措置の実施が経済成長の重しとなると考えており、2020年の世界経済成長率見通しは、-4.0%に低下すると見込んでいます。ワクチン実用化により、2021年後半には回復が見込まれ、サービスへの支出が増加すると考えており、2021年の世界経済成長率見通しは、5.2%に上昇すると見込んでいます。また、米中貿易摩擦は若干の緩和が見込まれますが、中国は第一段階合意の内容を順守できない可能性から、米中貿易摩擦懸念は引き続き強く残ります。インフレ率については、原油価格の安定化と経済活動の回復により、2021年は2.2%、2022年は2.4%にやや上昇すると見込んでいます。

 米国

新型コロナウイルス感染防止措置の強化が見込まれることから、当面は経済活動は低迷が続くと考えています。ねじれ議会ではあるものの、2021年1-3月期に1兆ドル規模の財政刺激策が合意に至ると考えます。ワクチン実用化により、経済成長が見込まれ、経済活動は2021年後半に、新型コロナウイルス感染拡大以前の水準に戻ることが期待されます。 原油価格や需給ギャップは低水準での推移が見込まれることから、2021年内はインフレ率は2%以下で推移すると考えており、 米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を0.25%で維持すると見込んでいます。 また、さらなるドル安が進行すると考えています。

 英国

英国経済見通しは、ユーロ圏経済見通しと大きな相違はないものの、2020年前半のロックダウンの長期化により2020年の英国経済成長率は-11.3%と大幅な減速が見込まれます。2020年後半の行動制限措置などの影響で再低迷が見込まれ、2021年初にも行動制限が継続される可能性があると考えます。ただし、イングランド銀行(BOE) は11月に量的緩和の1500億ポンド拡大を公表したほか、拡張的な財政政策の維持が見込まれることから、2021年の英国経済成長率は5.0%、2022年は4.5%を見込んでいます。他方、課題も残っており、ブレグジットについては、合意に至ると考えているものの、ノーディールの可能性は20%程度残っていると考えます。

 ユーロ圏

ロックダウンの再実施により、2020年10-12月期のユーロ圏経済成長は低迷が見込まれ、2021年初まで影響が及ぶと考えますが、2021年のユーロ圏経済成長率は5.0%程度に回復すると考えています。ユーロ圏GDPの5.4%程度に相当する欧州復興基金は2021年後半に効果が出始めることが見込まれ、2022年の企業の投資活動の活性化を促すと考えます。2022年のユーロ圏経済成長率は4%程度に低下すると考えますが、従来の1.5%程度の水準を大きく上回る見通しです。2020年のインフレ率は0.3%、2021年は0.8%、2022年は1.4%を予想しています。欧州中央銀行(ECB)は、量的緩和を強化し、政策金利については据え置きが見込まれます。

 日本

輸出や産業セクターの回復の継続が当面は日本経済の回復を下支えすると考えます。ワクチン実用化と財政政策による需要の拡大により、2021年の日本経済成長率は2.9%、2022年については、堅調な世界貿易を背景に1.8%を見込んでいます。日本銀行は、当面は緩和的な金融政策を維持すると考えています。

 エマージング諸国

2020年のエマージング諸国経済の成長率は-1.9%への低下を見込んでいますが、2021年には9%程度の経済成長が見込まれる中国経済がけん引し、6.9%に回復すると考えています。一時的なデフレが見込まれる中国以外のエマージング諸国については、食品価格による一時的なインフレ上昇が見込まれ、その後は経済成長の安定化に伴い、一部の中央銀行は金融政策引き締めが必要となると考えます。 

今後想定される他のシナリオ

基本シナリオ以外で今後想定される景気シナリオには「世界経済急回復(V字型)」、「米ドル安進行」、「新型コロナウイルスワクチンの失敗」などが挙げられます。なかでもデフレーション・シナリオである「米ドル安進行」が、発生確率が最も高いリスクシナリオであると考えています。

 

 

世界の実質GDP成長率見通し

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