グローバル市場見通し(2022年12月号)

グローバル市場見通し(2022年12月号)
見通しの表示:++強気、+やや強気、0中立、-やや弱気、--弱気 矢印:対前月での見通しの引き上げ/引き下げ
株式 |
国債 |
社債 |
コモディティ |
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景気後退や企業の業績鈍化への懸念が強まる中、これまでのベアマーケットラリー(総じて弱気相場の中での上昇局面)は一旦終わったと考えており、一旦やや弱気に転じました。 |
当面、主要国の中央銀行が金融引き締め策から転向し、より中立的な政策スタンスに転じる積極的な理由はまだ少ないと考えます。また、現在の金利水準は以前に比べて割高感が減っていることはポティブと判断しています。 |
景気後退の影響が見込まれるハイ・イールド債よりは投資適格債を選好しています。地域的には、バリュエーション面から、米国よりも欧州や新興国を選好しています。 |
特にコモディティの需要サイドにおいて、中国がゼロコロナ政策の緩和を打ち出したことはプラスに働くと思われますが、世界的に景気減速が続いていることはマイナスに働くと思われます。 |
株式
資産 |
分類 |
見通し |
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株式 |
米国 |
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これまで米国株式は上昇してきましたが、これが継続する積極的な理由が見当たらないと判断し、判断をやや弱気に引き下げました。米国経済はこれまでのところ拡大が継続していますが、現在の株価水準には割高感があると考えます。 |
欧州 |
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目先域内のエネルギー供給に関するリスクは遠のいたと考えられますが、長期的な解決には程遠いと考えます。経済状況に明るさはあまり見当たりませんが、株価バリュエーションは他地域に比べて相対的に魅力度が高いと考えます。 |
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日本 |
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先進国中心に景気後退懸念が高まる中、日本株式はグローバル株式の中でもシクリカリティが高い傾向にあるため、今後の展開に注意が必要と考えます。また、最近の円高が、日本株式にとってはマイナスに働くと考えます。 |
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アジア太平洋 |
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先進国株式に比べたバリュエーション面での魅力度や、経済再開を受けた市場参加者のセンチメント改善を捉えて、中立の見方を維持しています。また、中国の今後の景気回復が支援材料になると考えますが、グローバルな景気後退懸念が台頭していることには注意が必要です。 |
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新興国 |
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先進国中心に見込まれる景気後退のリスクの高まりは、歴史的には新興国株式に影響を及ぼしてきました。しかし、現在の新興国株式のバリュエーションはこのリスクを概ね反映しており、中国の景気回復や、これまでのドル高の流れが落ち着いたことは支援材料になると考えます。 |
債券
資産 |
分類 |
見通し |
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国債 |
米国 |
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FRB(連邦準備制度理事会)は金融引き締めサイクルの後期に近づいているとも考えられます。しかし、労働統計が引き続き底堅く推移しており、市場参加者が予想するよりも、金利が高止まりする可能性もあると考えています。 |
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欧州 |
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ECB(欧州中央銀行)の金融政策スタンスがタカ派的になっていると解釈されています。しかしながら、ドイツ国債の金利は、概ねこれらの情報を織り込んだ水準にあると考えられることから、中立に見通しを引き上げました。 |
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新興国現地通貨建て |
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金利水準に関しての魅力度が高まってきたと考えます。特にラテンアメリカでは、他国に先んじて金融引き締めを行ってきたことから、インフレはピークアウトの様相を呈していると考えます。先進国債券(特に米国債)に対する実質利回りは、魅力度があると判断しています。 |
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インフレ連動債 |
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米国10年ゾーンの実質金利が1.5%近傍にあり、インフレ期待はより現実的な水準にあると考えています。 |
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投資適格社債
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米国 |
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長期的な視点から、スプレッドは、欧州と新興国の方が、米国に比べ魅力度が高いと判断しています。 |
欧州 |
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現在の欧州のスプレッド水準は、新型コロナウイルスの発生時に見られた水準に近いと考えられ、現在想定される悪材料を大方織り込んだ水準にあると考えています。 |
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新興国米ドル建て |
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新興国のファンダメンタルズは比較的堅調に推移しています。金利水準はここもとの地政学的リスクを織り込んだ水準にあると考えられることから、引き続きやや強気の見通しを維持しています。 |
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ハイイールド社債 |
米国 |
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これまでスプレッドが縮小してきたことや米国のハイイールド債券市場が相対的に大きいことを考えると、今後米国経済が悪化した場合、米国ハイイールド債券市場が脆弱になる可能性が考えられるため、やや弱気に見通しを引き下げました。 |
欧州 |
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米国と比較して、欧州ハイイールド債券市場の構成銘柄は、クオリティが高いと判断でき、かつバリュエーション面での魅力度もあると判断しています。 |
コモディティ(商品先物)
資産 |
分類 |
見通し |
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コモディティ |
エネルギー |
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全体として中立に引き下げました。エネルギー供給において当面の逼迫は緩和されると考えます。一方エネルギー需要においては、先進国中心に景気が後退局面入りすることは、エネルギー価格の押し下げ要因になると考えます。長期的には、中国の経済再開やサプライチェーンが分断された状態が続くことが、エネルギー価格の押し上げ要因になると考えます。 |
金 |
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景気後退の懸念が存在する場合、金は良いパフォーマンスを示す傾向があると考えます。しかし、米ドル安によってその上昇の価値は一部実質的に減じられる可能性があります。 |
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産業用金属 |
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世界的な需要の鈍化は、逼迫した供給によって相殺されると考えます。中国の経済再開はプラス材料になると考えますが、欧米で見込まれる景気後退は金属価格の圧迫要因になると考えます。 |
通貨
資産 |
分類 |
見通し |
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通貨 |
米ドル |
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当社のFRB の今後の利上げに対する見通しは、市場予想と概ね合致しており、市場が織り込む現在の米ドル水準は妥当な水準と考えられることから、中立な見方としています。 |
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ユーロ |
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域内の経済成長見通しは明るくはないものの、現在のユーロには、市場参加者のネガティブな見通しが織り込まれており、反転の可能性もあると考えています。 |
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日本円 |
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日本円は、G10通貨の中で現在最も割安感があり、最近の日銀の政策変更も一定の支えとなっていることから、中立に見方を変更しました。 |
出所:シュローダー。社債に関する見通しは信用スプレッド(デュレーション・ヘッジを前提)の動きに基づくものです。ユーロと日本円は対米ドルの見通しとなります。
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