投資環境レポート

ハイテク企業の成長は今後も継続?

2018年03月05日

ハイテク企業は驚異的な速さで成長を遂げ、その富と影響力ゆえに社会や規制当局から注目される存在となりました。これら企業の成長はいつまで持続するのでしょうか?

直近数カ月間においてテクノロジー株の急落が見られるなど、大手ハイテク企業を取り巻く環境に変化が起こり始めているように感じられます。

欧州連合(EU)は、独占禁止法に違反したとしてグーグルに制裁金の支払いを命じました。米国や英国の議会公聴会では、過激主義者やロシアによるソーシャルメディア・プラットフォームの乱用を巡り、シリコンバレーの企業幹部らが証言を行いました。また米国では、オバマ前政権下で導入されたインターネット接続業者にコンテンツを平等に扱うことを求める「ネット中立性」の原則が撤廃され、再びネット企業からインターネット接続企業に裁量権が移ることになりました。更に、EUが制定した一般データ保護規則(GDPR)の施行が迫っており、個人情報を取り扱う企業にとっては、今後複雑さとリスクが増すことが見込まれます。

これに加え、ハイテク銘柄の割高感や、直近数カ月間にみられたハイテク関連やインターネット関連銘柄の占める割合が多いナスダック総合指数の下落は、FAANG銘柄(フェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス、グーグル)への投資比率が高い投資家を中心に、投資家の懸念材料となっています。

投資家として、これらハイテク企業がもたらす社会的な影響や、長期的な視点からの規制強化の動きがもたらすリスク要因などを議論することは重要であると考えています。検討すべき課題は広範囲に亘る一方、ハイテク企業が生み出す変化は速いペースで押し寄せている中、これら企業の成長やリターンの持続性を見極める上で、以下複数の観点から検証してみたいと思います。

ネットワーク効果

大手ハイテク企業のビジネス・モデルで最も注目すべき特徴は、「ネットワーク効果」と呼ばれています。サービスの利用者数が増加するほど、そのサービスの価値が高まるというものですが、ソーシャルメディア・プラットフォームが典型的な例であるといえます。新しい利用者が増える度に、利用者同士のつながりやコンテンツが共有される機会が増加します。また、ある一定の利用者を獲得すると、競合企業による顧客争奪が困難となります。

例えばグーグルでは、利用者が同社のプラットフォームを通じて検索する度に、そのプラットフォームの有用性や効率性が改善される仕組みになっています。また、アマゾンでは、同社サイトを利用する売り手と買い手の数が増加するほど、両者にとってサイトの価値が高まる仕組みとなっています。

ネットワーク効果を通じて「自然発生的な独占」を生み出すこれらハイテク企業の存在は、株式市場におけるお気に入り銘柄を生み出しましたが、これら企業の市場における圧倒的な影響力は規制当局にとっての懸念材料となっています。デスクトップ・コンピューターを通じた検索の約85%、携帯電話を通じた検索の約95%がグーグルのプラットフォームを通じて行われています。またフェイスブックについても、2017年末時点で月間あたり20億人を超える人々が日常的に同社サービスを利用しています。更に、2017年の米国オンライン小売販売のうち、全体の約半分はアマゾンを通じて行われており、前年比ベースで約+5%の拡大となっています。

このような状況を「公正かつ自由な競争」や「消費者保護」を目的とする従来の独占禁止法に照らしてみた場合、支配的な市場占有率を有するこれらハイテク企業のビジネスが消費者の不利益につながっているとみなすことは現時点においては困難とされています。

 

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