投資環境レポート

景気減速局面における各資産のパフォーマンス

2019年6月7日

米国経済は景気減速局面に差し掛かりつつあるとの見方をされることが多いですが、これは各資産のリターンにどのような影響を及ぼすでしょうか。また景気後退免れることはできるのでしょうか?

 

シュローダーでは景気サイクルの立ち位置を分析すべく需給ギャップモデルを開発していますが、米国のモデルは、最近、2年ぶりに米国の景気サイクルにおける立ち位置の変化を示すシグナルを発しました。このモデルによると、足元「景気拡大」から「景気減速」への移行が示唆されています。

前回実際に景気減速局面となったのは、世界金融危機時であり、もしこのモデルが正しく景気サイクルの立ち位置を示しているならば、足元の状況は景気後退が迫りつつある可能性があると捉え、米国当局は注視する必要があるといえるでしょう。

 

景気後退近い

シュローダーの需給ギャップモデルは、失業率や設備稼働率等の変数を用いて、景気サイクルにおける立ち位置を推計します。

1978年の同モデル使用開始以来、モデルが米国経済の景気減速局面入りを示した回数は6回存在しており、そのうち4回については、その後景気後退に陥っています。景気後退に陥ることなく景気拡大へと反転した残りの2回は1990年前半(一時的に景気拡大を示したものの、景気減速局面の中盤にあった)および1998年後半(長期的な景気拡大局面にあり、一時的にシグナルが景気減速を示した)となっています。

これまでの米国経済成長は、中央銀行による緩和的な金融政策が下支えとなっており、足元での経済成長の減速を受け、2020年には米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げに踏み切ると考えています。従って、景気減速局面は当面続くと見込んでおり、直ぐには景気後退には至らないと考えていますが、我々が想定するリスクシナリオの中では、景気後退の可能性も存在しており、特に当局が景気減速に対する措置を取らなかった場合にその可能性は高くなると考えています。



景気減速局面における各資産のパフォーマンスは

本レポートでは、過去の景気サイクルにおける景気減速局面を含めた各景気局面での各資産のパフォーマンスの比較を行います。

下図は、米国株式、国債、ハイイールド債、投資適格債、コモディティの1978年2月以降の各景気サイクル局面における平均月次リターン(年率、%)を示しています。

 

 

需給ギャップモデルが示唆する景気減速局面では、米国株式はプラスのリターンを維持するも、平均月次リターン(年率)は5%以下と、他の景気局面と比べてパフォーマンスが低かったことが指摘できます。

また景気減速局面は、国債が株式のパフォーマンスを上回る唯一の局面であったことがいえるほか、同資産が投資適格債を2%程度、およびハイイールド債を4.5%程度上回っていることがいえます。なお、景気後退局面では、この傾向は反転する傾向があり、国債は投資適格債を2%程度およびハイイールド債を5%程度下回っていたことがいえます。

 

 

今回は過去とは異なる

今回の景気減速局面は、過去とは異なる可能性も考えられます。今回の世界金融危機からの回復局面は、過去最長の長さとなり、足元緩和的な金融政策が維持されていることから、景気は後退局面入りしないまでも、比較的長く低い経済成長に留まる可能性もあると考えます。

一見、低い経済成長が持続する経済環境はプラスの印象を与えませんが、景気後退を回避できるのであれば、中央銀行は、過去数十年間に亘り成し遂げようしていた、経済の過熱や危機を回避しつつ緩やかな経済成長を実現することができると考えており、長く持続可能な経済成長を達成できるものと予想されます。

 

 

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