投資環境レポート

新型コロナウイルス:投資家が直面する避けられない事実


キース・ウエ―ド

キース・ウエ―ド

チーフ・エコノミスト

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新型コロナウイルス感染拡大が及ぼす影響は、人々の健康面への被害に加え、経済へ与える影響も多大です。ロックダウンなどの感染拡大防止措置により、これまで続いてきた米国の過去最長の景気拡大期は終焉し、1930年の世界恐慌以来の深刻な景気低迷期に突入しようとしています。
新型コロナウイルスを巡る状況は足元小康状態となっており、各国政府は移動制限や外出制限の緩和に動いているものの、直ちに経済回復へ向かうとは考えにくく、新型コロナウイルス感染拡大が終息した後も、長期に亘り、経済への影響が残ると考えます。

本レポートでは、新型コロナウイルスが、世界経済の長期見通しに与える影響を分析します。

新型コロナウイルス拡大前の昨年、今後の世界経済は、ポピュリスト政権、テクノロジー、気候変動などが起因となり生まれる新常態といった追い風はありつつも、人口動態の動向や経済の生産性などを趨勢的に分析すると、低成長かつ物価も上がりにくい状況になるとの見解を我々は示しました。従って、実質金利は今後低水準で維持されることが予想され、投資家はこれまでとは違った投資環境の中で舵取りをしていかなければならないことが予想されると指摘しました 。

 

パンデミックが経済に与える影響

パンデミックが経済に与える影響についての研究によると、長期に亘って経済に多大な影響をもたらすとされており、投資においても、パンデミック後、最長40年に亘り、低収益率が続く可能性があるとの結果が示されています。尚、これらの研究は、14世紀の黒死病から2009年新型インフルエンザを研究対象としています。(図表1)

 

 

新型コロナウイルスは、1918-1919年に流行したスペイン風邪と比較されることが多く、このスペイン風邪では、4000万人(当時の世界人口の2%程度)の死者が出たとされており、現在の人口に換算した場合1億5000万人程度となります。

幸いにも現在は、当時に比べてより高度な医療システムや政府による感染防止措置により、新型コロナウイルスは、スペイン風邪程の致死率に至る可能性は低いと考えられますが、近年の中では大きな影響を与えると考えられます。

また、パンデミックは、それを乗り越えた人々にも大きな傷跡を残し、その後の行動にも影響を及ぼす可能性があります。経済的観点では、パンデミック終息後、家計や企業の行動はより慎重になる可能性があります。

 

パンデミックと家計の消費活動

すでにロックダウンを緩和した国々では、消費支出の回復が鈍くなることが明らかとなりつつあり、当面この傾向は継続する可能性が高いと考えられます。過去の事例においても、パンデミックのショックにより、家計は雇用や収入に対する将来不安の高まりや、健康への意識が高まり等、万が一に備えた貯蓄を増やす傾向があり、消費支出の伸びは減速したことが明らかとなっています。

 

パンデミックと企業の投資行動

企業については、設備投資が鈍化する可能性があります。多くの過去のパンデミックの場合、労働供給が減少し、賃金が上昇、企業業績を圧迫し、設備投資は鈍化しました。今回の新型コロナウイルスについては、予防措置の実施や重傷者は主に高齢者に多いという特徴があり、労働供給の観点から言えば、過去のパンデミックに比べ、限定的と考えられます。

しかしながら、多くの企業は、ロックダウンによる経済活動の停滞、キャッシュフローの減少から、設備投資等には慎重になる可能性が高いと考えられます。財政政策及び金融政策により、これらの負の影響は、一部軽減されると期待できますが、パンデミックによる傷跡は今後の企業のリスクの取り方や投資への姿勢に影響を及ぼすと考えられます。

 

これらを含め、今般の新型コロナウイルスの拡大に伴って今後広がると考える4つのポイントについてまとめます。

 

 

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