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【全4回連載➂】株式市場の存在意義とは?


ダンカン・ラモント、CFA

ダンカン・ラモント、CFA

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株式市場は、企業が財務成長を目的に資金を調達する場として機能してきました。しかし、欧米では上場企業数の減少がみられるなど、従来株式市場が果たしていた役割に変化が起こっていることを示唆しています。他の資金調達先へのアクセスが容易になったことに加え、株式公開に掛かる費用やその他の負担が要因として挙げられます。しかしながら、すべての役割が消失したわけではなく、株式市場は、一部の地域では現在も発展しており、また、新規株式公開が減少する地域においても、従来とは異なる形で経済的役割を果たし続けています。

 
前回は、米国や英国で上場企業数が減少を辿る背景にある、公開株式市場が抱える問題点や負担について述べました。今回は、米国・英国以外の国々、特にエマージング市場の株式市場の状況について考察します。

異なる実情―エマージング市場とアジア先進国

米国や英国のように公開株式市場の存在感が低下している国々が存在する一方で、株式市場が繁栄している国々も多く存在します。エマージング・アジアやエマージング・ヨーロッパにおける上場企業数は増加しており、公開株式市場という点ではエマージング市場は先進国市場よりもはるかに活気があると言えます(図表10・11)。また、アジア地域の先進国の株式市場も拡大が続いています。

欧州先進国(除く英国)については国によって相違がみられ、例えばスペインでは、金融危機以前より上場企業数は持続的に増加していますが、フランスやオランダではその数は長期に亘り低迷しています。欧州全体では(除く英国)、上場企業数は1990年代に大幅に増加しましたが、金融危機前の数年間は停滞、金融危機後には減少傾向にあります。

この背景には容易に説明がつく要因もあり、例えば新興国市場に多くみられるように、その国の資本市場が相対的に未成熟である場合、その後の高い成長率が見込まれます。また、かつて共産主義政権下にあった中・東欧諸国では、1990年時点で資本市場が存在しなかったため、非常に低水準からのスタートとなっています。ポーランドの株式市場はその良い例であり、上場企業数は1993年には22社しか存在しませんでしたが、現在では800社以上存在しています。同様に、中国の株式市場も1993年には100社程度でしたが、現在では3,000社以上にまで増加しており、年間数百社の増加率で成長しています。

また、経済成長が著しい国の企業は、最も資金を必要としていることも要因として考えられ、株式および負債による資金調達の双方が必要とされます。アジアではこの傾向が顕著であるほか、エマージング・ヨーロッパの一部でもその傾向がみられます(図表12)。これまで中国などの市場でみられたように、企業が設備投資に積極的である時は、新たな資金需要が特に強くなると言えます。

負債による資金調達やプライベート市場は、エマージング市場やアジア市場においてこの資金需要を満たす役割を一部果たしました。(例えば図表4(第1回レポート)が示すように、エマージング市場の企業はプライベート市場で超大型の資金調達を行った企業の複数を占めています。)しかしながら、株式による資金調達需要は高く、公開株式市場が資金調達先として最も活用されています。これらの市場では、費用や負担に対して、恩恵が十分に上回っていると言えます。その例として、中国の株式公開過程の詳細を記載しています(ボックス内参照)。

しかし、これら上述の説明だけでは、株式市場で起きている変化のすべてを説明することはできません。日本には、1993年時点で3,000社以上の上場企業が存在し、世界で最も大規模な市場の一つです。その後、経済成長の低迷や株式市場のリターンの低下を経験していますが、上場企業の数は40%増加しています。対照的に、ペルーやチリは経済的には相対的に好調でしたが、株式市場の発展という点では後退しています。ラテンアメリカでは、長期に亘り上場企業数は減少傾向にあります(図表13)。

  

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