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サステナビリティー新興国債券投資におけるESG 3つの誤解ー


ジェシカ・グランド

ジェシカ・グランド

スチュワードシップ グローバル・ヘッド

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シュローダーでは、企業とのエンゲージメントや実態調査など、サステナビリティへの取り組みを掲載したサステナブル・インベストメント・レポートを四半期毎に作成しています。本レポートでは、2019年第4四半期のサステナブル・インベストメント・レポートを構成する内容の一部をご紹介します。今回のテーマは、新興国債券投資におけるESGについてです。

 

多くの人は、新興国債券投資とESGは親和性が低いと考えていますが、シュローダーは、これは誤りであると考えます。

新興国市場は歴史的に見て、投資家によるリスクの過大評価に苦しんできました。もちろん新興国投資にはリスクがありますが、投資家が考えているリスクが実際のリスク水準よりも高いケースが多くなっています。

特に新興国債券市場において、この乖離が顕著となっています。新興国債券に関して詳細な分析をした結果、資産配分を行う際に中核を担う他の資産クラスと遜色ない質の高さである一方、投資家による新興国債券への投資は進んでいません。

足元この実態と認識の乖離が顕著に表れているのが、ESG要素に対する見方です。市場では、新興国の債券投資においてESG分析は不要であるとの考え方もありますが、シュローダーではこれは誤りであると考えています。以下が投資家による主な誤解の例です。

誤解1ESG分析は国債には有効ではない

社債と比べ国債の分析評価においては、歴史的に見てESG要素にあまり重点を置かない傾向にあります。大部分の投資家は、資産配分を決定する際に国レベルのリスクや投資機会を考慮するものの、伝統的なマクロ経済分析と長期的な持続可能性に関する要因のインテグレーションはあまり進んでいないのが現状といえるでしょう。

一方で、気候変動リスクが転換点を迎えているとの懸念と共に、国債投資におけるESG要素の重要性は増しています。

シュローダーでは、国債投資におけるESG要素の考慮において、マクロ経済や資産価格への影響を分析する際に “E(環境)”、“S(社会)”、“G(ガバナンス)”の3つの主要な切り口を用いてESG分析を行うという通常の手法はあまり適していないと考えています。

シュローダーでは、新興国国債のESGリスクを定量化する際、1人当たりの生産性をモデル化した経済モデル(ソロー・モデル)を起点としています。そしてこのソロー・モデルに基づき、ヘルスケアや電力へのアクセス、社会的平等のレベル等の複数のESGに関連する測定基準を用いて、その生産性の持続可能性を評価します。これらの要素は、最終的には、国の発展や資産価値に関するリスクや投資機会に対する見方を形成することにつながります。

誤解2:新興国企業は、ESG情報がない

一部の投資家は、新興国企業は透明性に問題を抱えていると考えており、事実企業慣習に関する情報の入手は困難です。一方、このことはアクティブ投資家にとっては優れた投資機会にもなり得ます。特にESG分析において定量化しにくく、かつ重要な側面である「人的要因」を評価する際に、この点が顕著となります。

ESGに関する情報の入手が困難であるということは、アナリストの存在がより重要になるということです。市場で十分に認識されていない情報は、アルファの源泉となり得ます。

株主構造やガバナンス基準は、新興国の中でも国によって大きく異なります。例えば、コーポレートガバナンスが遅れている国もあれば、単純に異なる慣習や法律のシステムに沿った内容となっている国もあります。

新興国企業に関するESG分析は、コーポレートガバナンスが、異なる慣習を反映したものなのか、それも実際のガバナンスリスクを反映したものなのかを分析することで、下落リスクの抑制につながると考えます。

 

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