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気温上昇予測ダッシュボード 2021年第2四半期


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出所:シュローダー

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、最新の科学的知見をまとめた重要な報告書を公表しました。アントニオ・グテーレス国連事務総長はこの報告書について、「人類にとっての厳戒警報」だと述べています。

報告書は、第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)を3か月後に控えたタイミングで、破滅につながる気候変動が起きていると警鐘を鳴らし、人間の活動がそれを引き起こしていると結論づけています。

最良のシナリオをたどったとしても、今後20年間で気温は1.5℃以上上昇し、近年見られているような異常気象が増えると予想しています。

二酸化炭素排出量の削減において短期間で大幅な進展が見られない限り、こうした未来が待ち受けているのです。

気温上昇の予測値から見えること

気温上昇予測ダッシュボードの最新予測によると、産業革命前の水準と比較した長期的な気温上昇は約3.4℃です。これは、世界のリーダーたちが2015年に合意した「2℃未満」という目標も、そしてその後理想的な目標として出された1.5 ℃も大きく上回っています。

しかし、これはシュローダーが2017年第1四半期に示した4.2℃上昇という予測値よりはかなり良く、1年前の2020年第2四半期に示した3.9℃の上昇よりも低い数値です。

気温上昇予測ダッシュボードとは

シュローダーは、気候変動に対処するために世界の政策立案者や社会、企業が実施する対策の変化から示唆される長期的な気温上昇予測を客観的に示す指標として、2017年に気温上昇予測ダッシュボードを開発しました。気温上昇予測ダッシュボードでは、幅広い領域を検証し、2015年に世界のリーダーが合意したパリ協定の目標に照らした進捗を追跡しています。

シュローダーの予測値が示す長期的な気温上昇は、2017年に追跡を開始して以来下落傾向にあり、下落のペースは昨年よりも加速しています。

炭素価格の上昇と電気自動車の好調な売れ行きが最近の改善を後押し

今四半期は、炭素価格が引き続き上昇したことが前期比での改善を推進した大きな要因となりました。世界最大規模を誇るEU域内排出量取引制度(ETS)では、2021年7月に炭素価格が1トン当たり60ユーロ近くまで上がり、過去最高を記録しました。ロックダウンが緩和されて鉱工業生産が増加し、生産量の増大に対応するために必要な排出枠の需要が今後増えると予想されるため、排出権取引市場の見通しは良好です。欧州における炭素価格が昨年から倍に跳ね上がったことで、多くの市場でクリーン投資の経済的メリットが高まっています。

もう一つの際立った変化は、電気自動車の売れ行きがここ数か月間で大きく伸びている点です。ロックダウン期間中も、自動車業界全体は低迷していたにも関わらず、電気自動車は力強い需要を維持していました。シュローダーの分析によると、今年の累計販売台数は前年同期比で150%以上の伸びを記録しています。今年初めには、世界最大の市場である中国において、電気自動車の販売台数が新車販売全体の11%に達しました。乗用車は運輸部門の排出量全体の半分を占めており、世界全体の二酸化炭素排出量の約11%を占めています。この市場で脱炭素化を図ることが、低炭素社会への移行を実現する鍵となります。

IPCCの報告書は、私たちが人類の存続に関わる脅威に直面しており、各国が本気でこの問題に取り組み対策を強化しなくてはならないことをはっきりと示しています。今年開催されるCOP26では、社会、政治、企業の取り組み強化に向けた気運が一層高まることを願っています。

変化のまとめ

以下は前回の情報更新(2021年第1四半期)と比較した各指標の変化をグラフで示しています。

 

以下は気温上昇予測ダッシュボードの発表(2017年半ば)以降の各指標の累積変化をグラフで示しています。

 

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