ESG四半期レポート:バーチャル株主総会の時代は到来するのか

通常、4-6月は企業の年次株主総会が多く開催される時期です。しかし、今年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンの実施により、株主が株主総会へ出席することが困難となる問題が発生しました。このような問題を受け、「バーチャル株主総会」を求める声が高まっており、一部では既に永続的な変更としてほしいとの声も出ています。シュローダーでは、今年の異例の状況下ではバーチャル株主総会は必須なものとなると考える一方、これまでの株主総会のやり方にも優れた点があると考えています

バーチャルな取組みへの需要の高まり

純粋に技術的な観点からみると、株主総会は企業が年次決算や取締役の選出といった議題について株主からの承認を得るための場です。しかし、株主総会は保有株数を問わず、どのような株主でも企業の経営陣と直接会うことができ、質問をすることができる場でもあります。 過去数十年間で、株主の特徴に変化が見られています。以前は少数の株式を保有する多くの個人投資家で構成されていた一方、足元では多数の株式を保有する少数の機関投資家によって構成されています。そのため、現在の株主総会に出席している個人投資家は少なくなっています。一方、機関投資家は株主総会に先立って議案に対する投票を行い、企業幹部とも直接会っているため、彼らが実際に株主総会に出席するケースは少なくなっています。 株主総会への出席率の低さと技術的な進歩を受け、物理的な株式総会は必要なのかという声が上がっています。新型コロナウイルスの感染拡大を除いても、株主総会を実施することは費用がかかることから、企業側にとってはバーチャル株主総会は経済的にはプラスとなる可能性もあります。 新型コロナウイルスの感染拡大以前から、米国ではバーチャル株主総会は一般的なものでした。米国の多くの州では、企業は株主の承諾なしにハイブリッドもしくはバーチャルのみの株主総会を開催することができます。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ドイツやオーストラリアにおいてもバーチャル株主総会が開催できるよう規制が変更されました。ISS Analyticsによると、2020年は3900件のバーチャル株主総会が開催され1、うち米国が約57%を占めています(図表1)。2019年は、グローバルでのバーチャル株主総会は286件でした。

1:Number as of 13 May 2020. Source: ISS Covid-19 Response Center
2:ISS, Annual General Shareholder Meetings & COVID-19 Update, May 11, 2020

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