市況
12月のグローバル債券市場は、主要国の国債利回りは上昇しました。米国は、11月の消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したこと等を受けて米国債利回りは月前半に低下しました。月後半は連邦準備制度理事会(FRB)の利上げの道筋や中国の経済再開の影響を見極める動きのなか利回りが上昇に転じ、月を通じても上昇となりました。欧州は、欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏のインフレ見通しを引き上げ、追加利上げが引き続き検討されるとの見解を示したこと等からドイツ国債利回りは月を通じて上昇となりました。
エマージング債券市場は、米CPIの伸び鈍化等を受けて、月前半は前月からの上昇基調が維持されました。月半ば以降は、米国債利回りの上昇およびグローバル景気後退懸念が株式等のリスク性資産を押し下げる展開となり、米ドル建てエマージング債券は下落し、月前半の上昇を相殺する展開となりました。一方、現地通貨建てエマージング債券は、米ドル安が月を通じて支援材料となり、上昇が継続しました。
パフォーマンス
12月のパフォーマンスは1.07%となりました。現地通貨建て国債は、カスティジョ大統領が罷免され、政治的混乱が継続したペルー等が下落したものの、利上げ幅を0.75ポイントから0.5ポイントへ引き下げたメキシコや政策金利を3会合連続で据え置いたブラジルが主にプラスに寄与しました。米ドル建て債券は、大統領不正疑惑を巡って政治不透明感が高まった南アフリカがマイナスに寄与したものの、ゼロコロナ政策転換による経済活動再開が好感された中国のほか、メキシコ、コロンビア、エクアドル等のラテンアメリカ国が上昇し、プラスに寄与しました。通貨は、ウクライナ向け財政支援等に関して欧州連合(EU)と合意に至り、EUからの資金凍結の懸念が緩和したハンガリー・フォリントのほか、チェコ・コルナやポーランド・ズロチが堅調となったほか、タイバーツやインドネシア・ルピア等のアジア通貨や銅価格上昇が支援材料となったチリ・ペソもプラスに寄与しました。
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