市況
1月のグローバル債券市場は、主要国の国債利回りは低下しました。米国は、雇用統計で賃金の伸びが鈍化したほか、12月の消費者物価指数(CPI)が前月比低下し、前年比でも伸び鈍化が継続したことから米国債利回りは低下しました。また、軟調な経済指標も利回りの低下要因になりました。欧州でも、ドイツ国債利回りが低下しましたが、欧州中央銀行(ECB)当局者による市場の利上げペース減速観測をけん制する発言や欧州景気後退を回避できる可能性があるとの見方が影響し、ドイツ国債利回りの低下幅は米国債に比べて小幅となりました。
エマージング債券市場は、米雇用統計や米CPIを受けた先進国債券利回りの低下や米ドル安が支援材料となったほか、中国の経済活動再開や欧州エネルギー危機緩和の好影響も期待され、エマージング債券市場は月半ばまで上昇が継続しました。その後は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が近づく中、様子見の展開となり、横ばいで推移しました。月を通じては、米ドル建てエマージング債券市場および現地通貨建てエマージング債券市場共に上昇となりました。
パフォーマンス
1月のパフォーマンスは3.48%となりました。現地通貨建て国債は、中銀当局者が政策金利が最終到達点に近づいていると発言したメキシコが上昇したほか、南アフリカや、外国投資家による資金流入が増加したインドネシアも堅調に推移し、プラス寄与となりました。米ドル建て債券は、活動再開の好影響が期待される中国や、アンゴラ等のアフリカのフロンティア国のほか、米ドル建ての長期国債を買い戻す計画を明らかにしたアルゼンチンは月末にかけて上昇の勢いが増したことから、プラス寄与となりました。通貨は、メキシコ・ペソやブラジル・レアルのほか、中国景気回復の恩恵が期待されるタイ・バーツ、インドネシア・ルピア、マレーシア・リンギット等のアジア通貨が上昇し、プラスに寄与しました。また、中央銀行が政策金利を据え置き、引き締め的な金融環境を維持する姿勢を示したハンガリー・フォリントも上昇しました。
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