市況
3月のグローバル債券市場は、主要国の国債利回りは低下しました。米国は、シリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスのUBSによる買収を受けて投資家のリスク回避姿勢が強まり、利回りは大幅に低下しました。月下旬は、当局による対応等を受けて銀行システム不安が和らぐ一方、パウエル議長の発言等がハト派として市場で受け止められ、米利上げ早期終了への期待が強まったことから、利回りの上昇は抑えられ、月を終えました。欧州でも、クレディ・スイスのUBSによる買収等が影響し、月半ばにかけてドイツ国債利回りが大幅に低下しました。
エマージング債券市場は、米欧の銀行システムへの懸念がリスク資産への下押し圧力となり、米ドル建てエマージング債券市場は月前半は信用利回り格差が拡大し、下落する展開となりました。月半ば以降は米金利低下や、金融不安が落ち着くなかで投資家のリスク回避姿勢が緩和したこと等が支援材料となり、市場は上昇に転じ、月を通じてもプラスとなりました。現地通貨建て債券市場は、米ドル安が支援材料となったほか、インフレがピークに達するなか、利回りの低下が始まり、米ドル建てエマージング債券市場を上回る上昇となりました。
パフォーマンス
3月のパフォーマンスは+2.07%となりました。現地通貨建て国債は、インフレのピークが近づいているとして利上げ幅を縮小したメキシコやコロンビアのほか、5会合連続で政策金利を据え置いたブラジル等ラテンアメリカ地域が堅調となり、主なプラス寄与となりました。米ドル建て債券は、機動的に行った米ドル建てファンドの組入れやインドネシアはプラスに寄与したものの、通貨安も影響し、前年同月比の物価上昇率が30%を超えるエジプトがマイナスに影響したほか、米国債先物によるヘッジも当月はマイナスとなりました。通貨は、左派大統領による改革案が議会での反対を受けており、急激な変革が回避されるとの見通しが好感されたコロンビア・ペソ、月後半の銅価格の回復が支援材料となったチリのほか、メキシコ・ペソやブラジル・レアルが上昇したほか、ガス価格の下落により欧州地域でのインフレがピークに達している東欧通貨もプラスに寄与しました。
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