市況
4月のグローバル債券市場は、主要国の国債利回りはまちまちの動きとなりました。米国は、月初は利回り低下で始まりましたが、その後、堅調な経済指標を受けて追加利上げ観測が台頭したほか、債務上限問題も意識されたことから、月半ば過ぎまで利回りは上昇しました。しかし、月下旬には米地方銀行に対する懸念が再燃し、投資家の安全資産志向から利回りは低下の流れとなりました。月を通じては、月初と月下旬の動きが影響し、米10年債利回りは低下となりました。欧州では、欧州中央銀行(ECB)のタカ派姿勢等を背景にドイツ国債利回りは上昇しました。
エマージング債券市場は、米国債利回りの低下や、ラテンアメリカ通貨や中東欧通貨が対米ドルで上昇したこと等がエマージング資産の支援材料となり、米ドル建てエマージング債券市場および現地通貨建てエマージング債券市場共に上昇となりました。ただし、一部エマージング国は個別要因を背景に大幅な下落となり、国別の乖離がみられました。
パフォーマンス
4月のパフォーマンスは+0.41%となりました。現地通貨建て国債および通貨では、インフレの上昇圧力が和らぎ始めたハンガリーやポーランド等の中東欧諸国が債券価格および通貨ともに上昇し、主なプラス寄与となったほか、ブラジルやインドネシアといった主要エマージング国もプラスに寄与しました。ただし、深刻な電力不足の経済への影響が懸念される南アフリカは下落し、プラスの一部を相殺しました。米ドル建て債券では、経済改革が進まず国際通貨基金(IMF)によるレビューが延期されたエジプトが下落しマイナスに寄与しました。その他の国はおおむね小幅な動きとなりました。なお、米国短期債の保有によるインカムがプラスとなり、米ドル建て債券全体では寄与はほぼ中立となりました。
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