市況
5月のグローバル債券市場は、主要国の国債利回りはまちまちの動きとなりました。米国は、地方銀行に対する懸念が継続し、月初は利回り低下しましたが、堅調な経済指標やインフレ期待の上昇等を受けて追加利上げ観測が台頭し、利回りは上昇に転じました。また、米連邦準備制度理事会(FRB)当局者のタカ派的な発言も影響し、短期債を中心に利回りの上昇基調が継続しました。欧州は、軟調な経済指標や欧州域内各国のインフレ率が市場予想以上に鈍化したことから、利回りは月末にかけて低下しました。
エマージング債券市場は、米国債利回り上昇や米ドル高が重しとなり、下落しました。米ドル建てエマージング債券市場は、ハイイールド債は信用利回り格差の縮小が寄与し、プラスのリターンとなりましたが、投資適格債券は米国債利回りの上昇が影響し、マイナスのリターンとなりました。現地通貨建てエマージング債券市場は、高水準のインカムや利回りの低下はプラスに寄与しましたが、米ドル高がマイナスに影響し、下落となりました。
パフォーマンス
5月のパフォーマンスは+0.16％となりました。現地通貨建て国債および通貨では、コロンビア、ペルー、メキシコ等ラテンアメリカ国が上昇しプラスに寄与した一方、南アフリカがロシアへの武器提供の疑いを受けて下落したほか、通貨の下落が影響したチェコやポーランド等の中東欧諸国がマイナスに寄与しました。米ドル建て債券では、ナイジェリア、コートジボワール、アンゴラ等高利回りのアフリカ国がプラスに寄与した一方、トルコは、大統領選挙の決選投票で現職のエルドアン大統領が勝利したことを受けて下落となりました。
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