市況
7月のグローバル債券市場は、主要国の国債利回りはまちまちの動きとなりました。米国は、堅調な雇用関連指標を受けて米国債利回りが上昇して始まりましたが、その後、消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想を下回ったことを受けて、月半ばには前月末の水準付近まで低下しました。月下旬は、堅調な経済指標を受けて再び上昇基調に転じました。なお、連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25ポイントの利上げが実施されました。月を通じては、米国10年債利回りは上昇となりました。欧州は、インフレが鈍化するなか、次回9月の欧州中央銀行(ECB)会合での利上げ一時停止の見方が月下旬に台頭し、ドイツ2年債利回りは低下となりました。
エマージング債券市場は、米CPI鈍化および米ドル安のほか、コモディティ価格上昇等が支援材料となり、月半ばに上昇しました。その後も、米国経済のソフトランディング期待が台頭し、株式等のリスク資産が堅調となるなかで、エマージング債券も堅調さを維持して月を終えました。米ドル建てエマージング債券市場では、投資家のリスク選好姿勢の高まりを反映して、低格付けセクターが高格付けセクターを上回る展開となりました。現地通貨建て債券は、利回り低下、インカム、通貨上昇がそれぞれプラスとなり、米ドル建て債券を上回る上昇となりました。国別では、インフレ見通しが低下し、経済状況が改善する中、2021年11月以来初めて政策金利を据え置いた南アフリカが上昇となりました。
パフォーマンス
7月のパフォーマンスは+1.60%となりました。現地通貨建て国債・通貨では、原油価格上昇が追い風となったコロンビアや5月に大幅に下落した水準から回復基調にある南アフリカの保有が奏功したほか、メキシコ、マレーシア、ポーランドもプラスに寄与しました。大幅な利下げを実施したハンガリーとチリは通貨が下落し、マイナス寄与となりました。米ドル建て債券では、エクアドル、アンゴラ等がマイナスに寄与したものの、ナイジェリア、トルコ、中国、コートジボワールが主にプラスに寄与しました。
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