市況
9月のグローバル債券市場は、主要国の国債利回りは上昇しました。米国は、経済指標がインフレ圧力の根強さを示す中、利回りは上昇して始まりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利が据え置かれたものの、政策金利が長期にわたって高水準で維持されるとの見方から、米国債利回りは一段の上昇となりました。月末は、10年債利回りは上昇基調を維持した一方、2年債利回りは5%を若干上回る水準へ低下して月を終えました。欧州は、欧州中央銀行(ECB)理事会で10会合連続の利上げが実施されました。ECB当局者がタカ派姿勢を示したことから、政策金利の高止まりが意識され、利回りは上昇基調が継続しました。
エマージング債券市場は、グローバル債券利回りの上昇が継続したほか、軟調な欧州や中国の経済指標が米ドル高につながり、エマージング通貨が下落したこと等を背景にエマージング資産の下落が継続しました。また、当資産クラスからの資金流出が再加速していることも下落要因となりました。米ドル建てエマージング債券市場では、エルサルバドルやガボンが上昇した一方、アルゼンチン、ペルー、チリ、メキシコ等ラテンアメリカ国の下落幅が相対的に大きくなりました。現地通貨建てエマージング債券市場は、インカムはプラスに寄与したものの、利回り上昇およびエマージング通貨下落が主に影響し、米ドル建て債券を上回る下落となりました。
パフォーマンス
9月のパフォーマンスは-2.34%となりました。現地通貨建て国債・通貨では、メキシコや南アフリカのほか、政策金利を据え置いたコロンビア、通貨の下落が影響した中東欧諸国、新政権の政策による財政悪化の可能性が懸念され、下落したタイ等が主にマイナスに影響しました。米ドル建て債券では、南アフリカやナイジェリア等のアフリカ地域がマイナスに影響したほか、政策金利を30%に引き上げたトルコは利回り上昇が主に影響して下落しました。なお、機動的な米国デュレーションの調整はプラスに寄与しました。
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