市況
11月のグローバル債券市場は、主要国の国債利回りは低下しました。米国は、連邦準備制度理事会(FRB)が2会合連続で政策金利を据え置いたことや、経済指標で労働市場の減速やインフレの鈍化が示されたことを受けて、米国債利回りは低下しました。また、月末には、FRB高官の発言等を受けて、来年の利下げを織り込む動きが強まりました。欧州も、欧州中央銀行(ECB)ラガルド総裁の発言や、ドイツやスペイン等ユーロ圏各国のインフレ率の鈍化等を受けて、ドイツ国債利回りは低下しました。
エマージング債券市場は、米国債利回りの低下を受けて、月初に上昇しました。その後も、米国経済のソフトランディング期待を受けた投資家のリスク選好姿勢の高まりや米ドル安の進行等が支援材料となり、上昇が継続し月を終えました。米ドル建てエマージング債券市場では、アルゼンチン等ラテンアメリカや、エジプト等のアフリカ地域が堅調となりました。現地通貨建てエマージング債券市場では、メキシコ、チリ、コロンビア等ラテンアメリカ地域の上昇が目立つ展開となりました。また、利下げを継続したハンガリーや、通貨上昇が寄与したチェコやポーランド等中東欧地域も堅調となりました。南アフリカは、電力不足問題は改善傾向にあるものの、財政懸念が再び高まったことから、リターンはプラスとなったものの、現地通貨建て市場全体に対しては劣後しました(騰落は米ドルベース)。
パフォーマンス
11月のパフォーマンスは3.36%となりました。現地通貨建て国債・通貨では、インフレが徐々に鈍化するなか、国内経済が堅調なメキシコやブラジルなどのラテンアメリカ地域の保有が奏功したほか、利下げを継続したハンガリーや、通貨上昇が寄与したチェコやポーランド等中東欧地域もプラスに寄与しました。米ドル建て債券では、南アフリカは投資家のリスク選好姿勢が強まる中で上昇し、プラスに寄与したほか、ナイジェリア、コートジボワール、トルコ等の選別保有もプラスに寄与しました。また、ファンドを通じた米ドル建て債券の保有増加もプラスとなりました。
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