市況
1月のグローバル債券市場は、主要国の国債利回りは概ね上昇しました。米国は、堅調な経済指標や当局者の発言等を受けて早期の利下げ観測が後退し、国債利回りは上昇基調で推移しました。ただし、米財務省が2024年1-3月期の連邦政府の借り入れ見通しを下方修正したことや米地銀決算を受けて健全性への懸念が再び浮上したこと等が影響して月末にかけては米国債利回りが低下し、それまでの上昇を一部相殺し、月を終えました。欧州では、複数の欧州中央銀行(ECB)当局者による発言等を受けて、早期利下げ観測が後退し、月半ば過ぎまでドイツ国債利回りの上昇基調が継続する展開となりました。
エマージング債券市場は、米国債利回りの上昇がマイナスに影響したほか、中国経済に対する懸念がエマージング投資家のセンチメントに対する押し下げ要因となり、月前半に下落しましたが、月後半は落ち着きを取り戻しました。月を通じては、米ドル建てエマージング国債市場および現地通貨建てエマージング国債市場は下落となりましたが、米ドル建てエマージング社債市場はハイイールド社債がけん引し、上昇となりました。当月は国によるリターンの乖離が目立ち、エクアドルの米ドル建て国債は二桁の上昇となった一方、主要現地通貨建てエマージング国債指数からの除外が決定されたエジプトのエジプト・ポンド建て国債は20%を超える下落となりました(騰落は米ドルベース)。
パフォーマンス
1月のパフォーマンスは-1.57%となりました。現地通貨建て国債・通貨では、原油価格の上昇が追い風となったコロンビアのほか、インドの保有はプラスに寄与したものの、メキシコ、ブラジル、インドネシア等の主要エマージング国がマイナスに寄与したほか、タイ・バーツやマレーシア・リンギット等アジア通貨の保有もマイナスとなりました。米ドル建て債券では、税制改革に向けた議会での交渉が継続し、国際通貨基金(IMF)による支援合意への期待が高まったエクアドルがプラス寄与となったものの、ファンドを用いた米ドル建てエマージング債券の組入れがマイナスとなったほか、トルコや南アフリカもマイナスに寄与しました。
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