市況
4月のグローバル債券市場は、主要国の国債利回りは上昇しました。米国は、中東情勢の緊迫化を受けて安全資産需要が高まる局面はあったものの、堅調な経済指標やインフレの根強さを背景に連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ開始が後ずれするとの観測が再び高まったことが影響し、米国債利回りは月を通じて上昇基調が継続しました。欧州でも、ドイツ国債利回りは上昇しました。ただし、コアインフレ率が鈍化するなか、欧州中央銀行(ECB)の早期利下げ開始に対する市場の期待が相対的に高く維持されたことから、ドイツ国債利回りの上昇幅は米国債を下回りました。
エマージング債券市場は、米国債利回りの上昇および中東情勢の緊迫化を受けた投資家のリスク回避姿勢が主な要因となり、月半ばにかけて下落が進みました。米ドル建てエマージング国債市場、米ドル建てエマージング社債市場、現地通貨建てエマージング国債市場いずれも月を通じてマイナスとなりました。(騰落は米ドルベース)。
パフォーマンス
4月のパフォーマンスは-0.71%となりました。現地通貨建て国債・通貨では、銅価格上昇が追い風となったチリの通貨の保有がプラスに寄与したものの、メキシコ、ブラジル、コロンビア等の主要ラテンアメリカ国の保有がマイナスとなったほか、通貨ルピアが約4年ぶりの安値を付けたインドネシアもマイナスに寄与しました。米ドル建て債券では、月次インフレ率の低下が継続するアルゼンチンや、国民投票においてノボア大統領が提案した治安強化策が支持されたエクアドルがプラスに寄与した一方、南アフリカ、ガボン、エジプト、ナイジェリア等の保有がマイナスに寄与しました。なお、米国デュレーションの調整により、一部マイナスを抑制しました。
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