市況
5月のグローバル債券市場は、主要国の国債利回りはの動きはまちまちとなりました。米国は、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が次の政策変更が利上げになる可能性は低いと発言したことや、労働市場の緩和や消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化を受けて、月前半に利回りの低下が進みました。月後半には短期債利回りを中心に上昇する場面がありましたが、月末は再び利回りは低下し、月を終えました。欧州は、欧州中央銀行(ECB)による6月の利下げがほぼ確実視されるなか、月前半は米国の動きに伴ってドイツ国債利回りは低下しました。しかし、ドイツのインフレ率が再加速していること等を受けて月後半にドイツ国債利回りは上昇し、月を通じても上昇となりました。
エマージング債券市場は、米国債利回りの低下や米ドル安等が支援材料となったほか、株式等リスク資産も全般的に堅調となる中、月前半に上昇しました。月後半はやや押し戻されたものの、米ドル建てエマージング国債市場、米ドル建てエマージング社債市場、現地通貨建てエマージング国債市場いずれも月を通じてプラスとなりました(騰落は米ドルベース)。
パフォーマンス
5月のパフォーマンスは1.03%となりました。現地通貨建て国債・通貨では、主要格付け機関が格上げを発表したトルコや、インドネシアおよびインドの保有がプラスに寄与したほか、銅価格上昇が引き続き追い風となったチリの通貨の保有もプラスに寄与しました。ただし、財政懸念等を背景に通貨が下落したブラジルや、インフレ対応を目的に150ベーシスポイントの利上げを実施したナイジェリアの保有はマイナスとなり、プラスの一部を相殺しました。米ドル建て債券では、アルゼンチンやエクアドルはマイナスに寄与したものの、中国やパキスタンのほか、コートジボワールやエジプト等のアフリカ国の保有がプラスに寄与しました。
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