市況
6月のグローバル債券市場は、主要国の国債利回りは低下しました。米国は、5月の消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したこと等を受けて米国債利回りは月前半に低下しました。ただし、連邦公開市場委員会(FOMC)の参加者による2024年中の利下げ回数の予想中央値が1回に引き下げられたこと等も影響し、米国債利回りはやや戻し、月を終えました。欧州は、欧州議会選挙での右派の躍進と与党の劣勢を受けて、フランスのマクロン大統領が国民議会を解散すると発表したことから、政治不透明感を背景にフランス国債利回りは上昇する一方、ドイツ国債利回りは安全資産需要から低下する展開となりました。
エマージング債券市場は、米ドル建てエマージング国債および社債市場は米国債利回りの低下が支援材料となり、上昇となりました。一方、現地通貨建てエマージング国債市場は、欧州地域の政治的不透明感の台頭を受けた米ドルの上昇や市場ボラティリティの上昇が重しとなったほか、一部国での選挙結果を受けた政治的な懸念が影響し、下落となりました(騰落は米ドルベース)。
パフォーマンス
6月のパフォーマンスは-1.40%となりました。現地通貨建て国債・通貨では、南アフリカは、総選挙で与党が議会での過半数を割り込む結果となったものの、連立内閣樹立に向けての合意を受けて債券価格、通貨共に上昇し、プラスに寄与しました。一方、メキシコは月初に実施された議会選挙における連立与党の上下両院での圧勝を受けて憲法改正への警戒感が高まり、通貨が大幅に下落したことが影響しマイナス寄与となったほか、ブラジルは、ルラ大統領の拡張的な財政政策スタンスへの懸念の高まりを背景に下落となり、マイナス寄与となりました。米ドル建て債券では、南アフリカはプラスとなったものの、パキスタンや中国がマイナスに寄与したほか、アルゼンチンは、改革の進展が懸念され、月初に大幅に下落しました。その後、ミレイ大統領が提案した経済改革、緊縮財政を目的とする法案が上下院で可決され、債券価格も回復しましたが、月初の下落を埋めるには至らず、マイナス寄与となりました。
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