アセット・アロケーションとパフォーマンス
出所:シュローダー・インベストメント・マネージメント(シンガポール)リミテッド。SISF Japan DGF – I share classの設定日2008年12月1日。上記のアセット・アロケーションは、買い建ておよび売り建てのポジションを相殺したネット・エクスポージャーを示しています。(四捨五入につき100%にならない場合があります。)上記は本運用戦略の代表ファンドであるルクセンブルグ籍Schroder International Selection Fund – Japan DGF I share class(設定日2008年12月1日)の情報です。ご参考として掲載するものであり、当該ファンドの取得の勧誘を意図するものではありません。当該ファンドは日本国内では販売されていません。過去の運用実績は将来の投資成果等を示唆あるいは保障するものではありません。
市況概況
10月、米長期金利の上昇や中東情勢の緊迫化を受けた地政学リスクの高まりを背景に、世界株式は下落しました。米国では堅調な米国経済を背景に、金融引き締めの長期化観測が拡がり、米国株式は下落しました。欧州では、高金利が経済成長の重しとなっていることなどから、欧州株式は下落しました。投資家心理の悪化を受けて、日本株式も下落しました。エマージング株式は、金利上昇と中東情勢を背景に下落し、先進国株式をアンダーパフォームしました。債券については、底堅い米国労働市場や継続するインフレ圧力を背景に、より長期に亘り高金利が維持されるとの見方が拡がり、米国10年国債利回りは上昇しました。2007年以降初めて、米国30年国債利回りが5%を上回りました。欧州では、欧州中央銀行(ECB)が11会合ぶりに政策金利を据え置き、ドイツ10年国債利回りは低下しました。イタリア2年・10年国債やスペイン10年国債の利回りも低下しました。社債については、グローバルでは、投資適格債券ハイイールドともに下落しましたが、欧州は米国をアウトパフォームしました。コモディティは、金が堅調となった一方で、原油や産業用金属が下落したことから、下落しました。
主な投資行動
米国10年国債の組入比率を引き下げ
米金利がより長期に亘り高止まりするとの見方が強まっていることや、米長期金利のボラティリティの高まりを背景に、リスク管理の観点から、月初に米国10年国債の組入比率を引き下げ
コモディティを一部売却
利益確定でコモディティを一部売却
米国ハイイールド債券を組み入れ
バリュエーションが魅力的であると判断するほか、景気後退が後ずれする中、企業や家計のバランスシートの底堅さが継続していることが支援材料と判断し、米国ハイイールド債券を組み入れ
株式組入比率の調整
高金利の長期化見通しが拡がるに伴い、株式バリュエーションの調整が進む中、今後見込まれる金利の安定化が株式の支援材料となるほか、底堅い経済成長見通しの下、堅調な企業業績が見込まれることから、足元の水準は魅力的なエントリーポイントと判断し、月中に米国株式の組入比率を引き上げ
その後、金利ボラティリティの安定化が進まず、株式は短期的に変動性が高まると判断し、リスク管理の観点から米国株式の組入比率を引き下げ
日本円比率を引き上げ
日銀の金融政策決定会合を控え、リスク管理を企図して、日本円比率を引き上げ
今後の資産配分と運用戦略
米国の労働市場は底堅さを維持する中で、インフレ圧力は引き続き緩和しつつあります。これらを背景に、政策金利の上昇余地は限定的ですが、金融緩和への転換は急がれない状況となっています。労働市場のさらなる緩和がみられるまでは、ハードランディングに備えたポジションを取るにも時期尚早と考えます。
ポートフォリオでは、キャッシュ対比で利回りがより魅力的な欧州投資適格債券への選好を維持しているほか、逆イールドの水準を考慮し、米国長期国債についてはショートのエクスポージャーを取っています。株式については、日本と欧州の金融政策の相違を考慮し、日本株式ロング/ドイツ株式ショートのポジションを引き続き保有しています。また、欧州経済の減速を背景に、人民元に対してユーロをアンダーウェイトとするポジションを取っています。中国国内の経済は低迷していますが、輸出の回復の兆候が見られているほか、短期的には、過度に悲観的な見方が取られていると考えます。また、コモディティについては、一部利益確定で売却しましたが、インフレリスクや地政学リスクに対して、ヘッジの役割が期待されることから、保有を維持しています。
全般的には、金利ボラティリティや、各国経済状況の相違、アジア輸出の改善の可能性に注目しています。ポートフォリオでは、引き続き金利の影響や中央銀行の金融政策の動向に注視しつつ、機動的な資産配分を行う方針です。
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