アセット・アロケーションとパフォーマンス
出所:シュローダー・インベストメント・マネージメント(シンガポール)リミテッド。SISF Japan DGF – I share classの設定日2008年12月1日。上記のアセット・アロケーションは、買い建ておよび売り建てのポジションを相殺したネット・エクスポージャーを示しています。(四捨五入につき100%にならない場合があります。)上記は本運用戦略の代表ファンドであるルクセンブルグ籍Schroder International Selection Fund – Japan DGF I share class(設定日2008年12月1日)の情報です。ご参考として掲載するものであり、当該ファンドの取得の勧誘を意図するものではありません。当該ファンドは日本国内では販売されていません。過去の運用実績は将来の投資成果等を示唆あるいは保障するものではありません。
市況概況
11月、長期金利の低下や米国インフレ鈍化を背景に世界株式は上昇しました。米国では、インフレが鈍化し、利上げ局面が終了したとの見方が拡がったことから、米国株式は大きく上昇しました。欧州についても、ユーロ圏のインフレ率が予想以上に鈍化し、利下げ期待から欧州株式は上昇しました。ただし、欧州中央銀行(ECB)総裁は市場の利下げ期待をけん制する発言をしています。日本株式は、金利低下や堅調な企業業績を背景に上昇しました。新興国株式は、米国のソフトランディングや利下げへの期待の高まりが支援材料となり上昇しました。債券については、経済減速やインフレ圧力の緩和、欧米での利上げ局面の終了の可能性を背景に主要国の金利は低下しました。米国では連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を据え置き、相対的にハト派的なトーンであったことから、米国10年国債利回りは大きく低下しました。社債については、投資家心理が上向き、リスク資産が堅調となった環境下、投資適格債券、ハイイールド債券ともに上昇しました。コモディティは、エネルギーが軟調となったことから下落しました。
主な投資行動
ポートフォリオ利回りの向上
ポートフォリオ利回りの向上を企図して、韓国10年国債を米国10年国債および世界債券(社債)に入れ替え
ポートフォリオ・デュレーションの引き上げ
景気減速の進行が見込まれることなどを背景に、米国債を通じてポートフォリオ・デュレーションの引き上げ
株式プットオプションの調整
株式市場の上昇を受け、米国株式プットオプションのストライクプライスを引き上げると同時に米国株式先物の組入比率を引き上げ
日本円比率を引き下げ
10月末に日銀の金融政策決定会合を控え、リスク管理を企図して日本円比率を引き上げていたが、月初に引き下げ
レラティブトレードの解消/構築
韓国・台湾株式ロング/エマージング株式ショート、米国10年国債ロング/カナダ10年国債ショートのポジションを構築
日本株式ロング/ドイツ株式ショートについて、ドイツ株式ショートのポジションを解消
コモディティロングのポジションの一部をエネルギーセクター株式ロングのポジションに入れ替え
今後の資産配分と運用戦略
米国の労働市場は底堅さを維持する中で、インフレ圧力は引き続き緩和しつつあります。これらを背景に、政策金利の上昇余地は限定的ですが、金融緩和への転換は急がれない状況となっています。労働市場のさらなる緩和がみられるまでは、ハードランディングに備えたポジションを取るにも時期尚早と考えます。
ポートフォリオでは、キャッシュ対比で利回りがより魅力的な欧州投資適格債券への選好を維持しているほか、逆イールドの水準を考慮し、米国長期国債についてはショートのエクスポージャーを取っています。株式については、日本と欧州の金融政策の相違を考慮し、日本株式ロング/ドイツ株式ショートのポジションを引き続き保有しています。また、欧州経済の減速を背景に、人民元に対してユーロをアンダーウェイトとするポジションを取っています。中国国内の経済は低迷していますが、輸出の回復の兆候が見られているほか、短期的には、過度に悲観的な見方が取られていると考えます。また、コモディティについては、一部利益確定で売却しましたが、インフレリスクや地政学リスクに対して、ヘッジの役割が期待されることから、保有を維持しています。
全般的には、金利ボラティリティや、各国経済状況の相違、アジア輸出の改善の可能性に注目しています。ポートフォリオでは、引き続き金利の影響や中央銀行の金融政策の動向に注視しつつ、機動的な資産配分を行う方針です。
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