アセット・アロケーションとパフォーマンス
出所:シュローダー・インベストメント・マネージメント(シンガポール)リミテッド。SISF Japan DGF – I share classの設定日2008年12月1日。上記のアセット・アロケーションは、買い建ておよび売り建てのポジションを相殺したネット・エクスポージャーを示しています。(四捨五入につき100%にならない場合があります。)上記は本運用戦略の代表ファンドであるルクセンブルグ籍Schroder International Selection Fund – Japan DGF I share class(設定日2008年12月1日)の情報です。ご参考として掲載するものであり、当該ファンドの取得の勧誘を意図するものではありません。当該ファンドは日本国内では販売されていません。過去の運用実績は将来の投資成果等を示唆あるいは保障するものではありません。
市況概況
12月、2024年のより早期における利下げ期待が強まったことから長期金利が低下し、金利はピークを過ぎたとの楽観的な見方が拡がったことから、世界株式は上昇しました。米国では利下げ期待が支援材料となり米国株式は上昇し、株式市場をけん引しました。ユーロ圏では、欧州中央銀行(ECB)が2024年に利下げに転じるとの見方が強まり、欧州株式は上昇しました。一方、日本株式については、円高が重しとなり、小幅に下落しました。エマージング株式については、米国のソフトランディングの見通しなどが支援材料となり上昇しました。債券については、欧米での利下げ観測の強まりを背景に、主要国の国債利回りは低下しました。米連邦準備制度理事会(FRB)は、3会合連続で政策金利を据え置き、2024年の利下げ開始を示唆したことから、米国10年国債利回りは大きく低下しました。欧州では、ECBが2会合連続で政策金利を据え置き、利下げ観測をけん制する姿勢も見られましたが、市場の利下げ期待は根強く、ドイツ10年国債利回りは低下しました。社債については、ソフトランディングへの期待から堅調に推移し、投資適格債券、ハイイールド債券ともに上昇しました。
主な投資行動
欧州デュレーションヘッジ(ドイツ国債ショート)のポジションを組み入れ
欧州金利の低下を受け、リスク管理を企図してドイツ10年国債ショート(世界債券に分類)のポジションを組み入れ
日本円比率を引き上げ
11月から続いているリスク資産の上昇を受け、ポートフォリオのリスク引き下げを企図し、日本円比率を引き上げ
レラティブトレードの解消/構築
- S&P均等加重インデックス・米国不動産セクター株式ロング/S&P500ショートのポジションを構築:これまで一部の大型テック株が上昇をけん引してきたが、上昇が広範囲に拡大すると考えることからS&P500をS&P均等加重インデックスに入れ替えたほか、2024年の利下げが見込まれることから米国不動産セクター株式(不動産に分類)に入れ替え
- 日本株式ロングのポジションを解消:日本株式について、長期的には魅力的と考えるが、年初来の堅調なリターンや、今後数ヵ月間で日本銀行が金融政策を調整する可能性を考慮し、日本株式ロングのポジションを解消
- エネルギーセクター株式ロングのポジションを解消:OPECプラスの減産合意の遵守状況の不透明感や、需要の減速を背景に、エネルギーセクター株式ロングのポジション解消
- コモディティロングのポジションを解消:原油価格の下落を受け、コモディロングのポジションを解消
今後の資産配分と運用戦略
米金利のピークやソフトランディングの見方は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の発言の中でも示唆されています。足元における株式と債券の上昇は、ソフトランディングの見方が市場に織り込まれたことを意味し、各資産のバリュエーションの魅力度は低下しています。ただし、米国の景気後退を示す兆候は多くないことから、リスク資産に対してネガティブな見方をするには時期尚早と考えており、特に雇用の水準は引き続き、消費者の需要の支援材料となることが見込まれます。このような環境下、株式と債券の見通しを中立としています。その中で、ポートフォリオでは、レラティブ・バリューのポジションを維持しています。株式については、金利に対する感応度がより高いセクターが、出遅れを取り戻す動きとなることが期待されることから、より広範な株式の上昇を捉えるポジションを取っています。また、エマージング株式については、韓国株式と台湾株式を選好しています。債券については、カナダ国債に対して米国国債を選好するポジションを取っています。
全般的には、今後数ヵ月間において、金利は安定化が見込まれ、経済成長は減速へ向かうと考えていますが、足元での市場の上昇を受け、短期的には中立の見方をしています。これらを背景に、ポートフォリオでは、各経済間の相違から生じる投資機会を捉えるため、レラティブ・バリューのポジションを活用しています。
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