アセット・アロケーションとパフォーマンス
出所:シュローダー・インベストメント・マネージメント(シンガポール)リミテッド。SISF Japan DGF – I share classの設定日2008年12月1日。上記のアセット・アロケーションは、買い建ておよび売り建てのポジションを相殺したネット・エクスポージャーを示しています。(四捨五入につき100%にならない場合があります。)上記は本運用戦略の代表ファンドであるルクセンブルグ籍Schroder International Selection Fund – Japan DGF I share class(設定日2008年12月1日)の情報です。ご参考として掲載するものであり、当該ファンドの取得の勧誘を意図するものではありません。当該ファンドは日本国内では販売されていません。過去の運用実績は将来の投資成果等を示唆あるいは保障するものではありません。
市況概況
6月の株式市場は国や地域によってまちまちとなりました。米国株式は、人工知能(AI)の発展を巡る期待感が支援材料となり上昇しました。一方、欧州株式は、フランスのマクロン大統領がフランス国民議会の解散を発表したことで、政治的不確実性が高まったことを受けて下落しました。日本株式は上昇したほか、エマージング株式についても、AI関連銘柄が上昇したことで韓国や台湾株式が上昇を牽引し堅調に推移しました。また、主要債券市場においては、概ね金利が低下しました。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した最新のドット・チャートでは、FRBによる年内の利下げは1回にとどまるとのタカ派的な見解が示されましたが、米国のインフレ減速を背景に米長期金利は低下しました。欧州中央銀行(ECB)が利下げに踏み切り、独長期金利は低下しました。ただし、フランス国債に対するリスクプレミアムは拡大し、フランス長期金利は上昇しました。
主な投資行動
株式エクスポージャーの変更
- 米国経済が堅調であることや人工知能(AI)の発展を巡る期待から米国株式がアウトパフォームする可能性を踏まえ、米国株式の組入比率を引き上げたほか、業績見通しは良好であるとして中国株式の組入比率を引き上げました。
- 一方、政治的不確実性が高まっていることを嫌気して欧州株式を一部売却したほか、上昇モメンタムが減速していたことを受けて日本株式の保有比率を引き下げました。
産業用金属の保有を解消
- テクニカル要因が重しとなっているほか、供給は豊富である中、需要にも減速の兆候が見られたため、産業用金属の保有を解消しました。
金ロングのポジションを構築
- 中央銀行による根強い需要、過去の利下げ局面における好調なパフォーマンスを考慮し、金ロングのポジションを構築しました。5月に金ロングのポジションを解消して以降、金相場が下落したことも材料視しました。
今後の資産配分と運用戦略
6月に発表された一連の経済指標は、概ね、経済活動は活況である一方、インフレの目標水準への回帰が継続していることを示し、当運用チームが基本シナリオとして想定する「米国経済がソフトランディングを辿る」との見方に整合的な内容となりました。スイス国立銀行やカナダ銀行、欧州中央銀行など、各国中央銀行が利下げを開始しています。当運用チームでは、イングランド銀行(英中銀)は間もなく利下げに踏み切る一方、FRBによる利下げ開始時期は2024年秋ごろまで後ずれするとみています。一部の先進国において利下げサイクルが始まっていることは、株式市場にとって支援材料になるでしょう。ただし、株式市場が好材料を織り込みすぎている点は懸念しており、ネガティブ・サプライズによって株価が下落するリスクに対しては注意する必要があると考えます。債券については、地政学的リスクから債券市場におけるボラティリティが高まる可能性があり、これは国債がかつて発揮したような分散効果を提供しない可能性を意味しています。一部の先進国で利下げサイクルが始まっていることを好感しているものの、国債については中立の見方としています。安全資産としては金を選好しています。また、金はインフレヘッジにもなり得ることも好感しています。通貨については、分散投資効果を提供する安全資産としての役割やポジティブなキャリーを好感し、米ドルに対して強気の姿勢を維持しています。そのほか、新興国通貨に対する選好姿勢を強めています。総括すると、株式や新興国(含むアジア)資産に対するエクスポージャーを引き上げることで、利下げサイクルが始まる中、景気サイクルの好転による投資機会の捕捉を試みており、金と米ドルの保有によりリスク分散を図っています。
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