市場環境
3月は、欧米における金融不安から急落となったものの、金融当局の迅速な対応により月末にかけては金融不安が和らいだことから買い戻され、日本株は続伸しました。TOPIX(配当込み)では1.7%の上昇となりました。年度初来では、5.8%の上昇となりました。
出所:Bloomberg
主要戦略運用パフォーマンス
市場動向としては、保険、銀行、その他金融、証券など金融セクターが大きく下落し、不動産やサービスも軟調でした。一方で、電気機器や化学、精密機器などのテクノロジー関連、資源高による好業績が期待される卸売、また医薬品、陸運、食料品などもディフェンシブ業種も堅調でした。スタイルでは金融株をはじめバリュー株の下落が大きくなった一方でテクノロジー関連などのグロースが優位となり、サイズでは若干ながら小型株が大型株に出遅れる結果となりました。弊社の主要戦略のパフォーマンスは小型、マイクロではアウトパフォームしたものの、他の戦略ではすべて比較的大きなアンダーパフォームとなり、2月に続き、苦戦する結果となりました。
出所:Bloomberg、シュローダー、各戦略コンポジット(運用報酬控除前)、超過収益は対ベンチマーク、TOPIX配当込及びRussell/Nomura Small Capインデックス、Micro Capインデックス
運用者の視点『The Age of AI has begun』
錦織 正明
日本株式 セクターアナリスト
本コラムでは、日本株式運用チームのファンドマネジャー、アナリストが毎月入れ替わりで市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。
ビル・ゲイツ氏は自身が生涯で目撃した革命的な技術は2つあり、1つめは1980年代のグラフィカル・ユーザー・インターフェース(Windowsを実現した技術)と2つ目は2022年のOpenAIのChatGPTであると語っています。(Gates Notes "The Age of AI has begun” 21/03/2023)
マイクロソフトはOpenAIに出資しているのでこのコメントは多少割り引く必要があるかも知れませんが、ゲイツ氏が正しいのであれば、これは投資対象や運用手法にも大きな影響を与えそうです。単純にAIの進歩でどの会社や業種がメリットを受けるか、といった関心を超えて非連続的な生産性改革が起こるのか、それが産業全体にどういう影響を与えるのかというところまで考える必要がありそうです。これまでの流れだとWinner takes all(勝者総取り)と考えたくなりますが、プラットフォーマー規制や倫理面での規制なども予想されるでしょう。
そんな大きな話でなくても、YouTubeをちょっと覗いただけでChatGPTを使ってこんなことができるよ、という驚くようなアイディアをいくつも見ることができます。日常の小さなところからも変化が起きそうです。
運用の世界で言うと、もし企業のCEOにAIが就任したとしたら?これはありえないことのように思われるかもしれませんが、すでにAIがさまざまな産業で管理や意思決定に使われているという事実の延長線の上にあると考えることができます。
投資に特化したAIが開発されたとしたらどうでしょうか。24時間最新のデータをインプットし続け、バイアスなく分析し続けることのできるAIは我々の武器となるのか、脅威となるのか、あるいは今までいくつも出てきた「ポンコツ」運用モデルで終わるのでしょうか。運用AIはAI CEOの会社をどう評価するのでしょうか。
一方で、AI技術は依然として人間によって創造・開発されているわけですから、やはり人間を超えていくことはできないと考え、AIの競争は結局人知の代理競争に過ぎないのか、興味が尽きません。いずれにせよ私は最高にエキサイティングな時代の始まりを見つつあるというその点においてはビル・ゲイツ氏に完全同意します。
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