市場環境
4月は、米国におけるインフレ懸念が緩和したことや日本企業に対する株主還元拡充の期待から外国人買いがけん引して日本株は続伸となり、TOPIX(配当込み)では2.7%の上昇となりました。
出所:Bloomberg
主要戦略運用パフォーマンス
市場動向としては、任天堂株の急騰を受けたその他製品や株主還元が注目された建設が強かった他、ディフェンシブ業種で電気・ガス、陸運、食料品、また保険や不動産なども反発しました。一方外需シクリカル業種で、鉄鋼、金属製品、非鉄金属、電気機器、輸送用機器、化学などが軟調でした。スタイルではバリュー優位が強くなり、グロース株は前月からのリバーサルで調整局面となりました。サイズでは大型が若干強く、一方でマイクロ株が極端に弱い相場でした。
弊社の主要戦略のパフォーマンスはバリュー優位のスタイル影響に加えて、全般的に難しい状況が続きましたが、4月最終週の決算シーズンでコア、オポチュニティなどはパフォーマンスを取り戻しました。イールドは良好ながら、小型、マイクロでは比較的大きなアンダーパフォームとなりました。
出所:Bloomberg、シュローダー、各戦略コンポジット(運用報酬控除前)、超過収益は対ベンチマーク、TOPIX配当込及びRussell/Nomura Small Capインデックス、Micro Capインデックス
運用者の視点『客観的な視点を得るために』
佐々木 健太郎
日本株式 リサーチ責任者
本コラムでは、日本株式運用チームのファンドマネジャー、アナリストが毎月入れ替わりで市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。
シュローダーのオフィスのある東京駅近辺を歩いていると、海外からの訪日客数が急速に戻っていることが肌で感じられます。日本政府観光庁のデータによると、訪日客数はコロナ前の6~7割の水準まで戻っていて、まだ1割強しか戻っていない中国からの訪日客を除けば、コロナ前の8~9割にまで回復しているということです(2023年3月のデータ)。そんな訪日客の急増と歩調を合わせるように、シュローダーの海外オフィスからの出張者も急速に増えています。グローバル株式、アジア株式を運用するリサーチアナリストやファンドマネジャーが、日本企業との面談機会を求めて次々と来日しているのです。
私は日本株式を担当するリサーチアナリストですが、日本企業をリサーチするうえで、日本で担当企業を見ているだけでは不十分で、競合していたり、サプライチェーンでつながっている海外の企業と比較してみることが重要です。普段から自ら海外企業の決算を確認し、コロナ前であれば出張して面談を行って動向を確認していますが、それと同じくらい、もしかするとより重要なのが、来日するシュローダーの他拠点のリサーチアナリストやファンドマネジャーと一緒に、自分の担当する日本企業に会うことです。普段の取材と同じ面談相手でも、海外企業の動向をよく知っている彼らからは、自分では思ってもみなかった質問が飛び出し、海外の目から日本企業がどのように見えるのかを知ることで、客観的な視点を得られる貴重な機会となります。例えば、私が担当する日本企業の海外顧客を担当するアナリストが、双方のいう受注・発注動向の違いに気づいて需要動向の変化に気づいたり、海外の競合企業を担当するアナリストが、私の気づいていなかった日本企業の戦略のユニークさを指摘してくれたことなどがありました。シュローダーの日本株チームの強みのひとつは、このようなグローバルな運用チームとの協働にあるといえます。
コロナで海外との往来が難しかったなかにおいても、電話やビデオ会議で共同での取材は出来ていましたし、むしろオンライン会議のほうがタイミングよく面談が設定できる良さもありました。ただ、時差の関係で、数を多く設定することには困難もありました。それが来日しての取材となると、滞在中はできるだけ多くの面談を入れますので、その数は必然的に多くなります。これからは、オンラインと直接の面談の合わせ技で、客観的な視点を得る機会が増えることが期待でき、シュローダーの日本株運用の強みを磨いていくことができると思います。
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