市場環境
9月は米国における金融引き締めの長期化に対する懸念から米国株式が調整する中、日本においても長期金利が上昇し日経平均は続落、TOPIXも小幅下落したものの、配当込み指数では0.5%の小幅上昇となりました。TOPIX(配当込み)は年度初来では+17.3%となっています。
出所:Bloomberg
主要戦略運用パフォーマンス
市場動向としては日米の金利上昇を受けたグロース株の調整が加速し、精密機器などのテクノロジー、化学、機械、サービスなどは下落しました。一方で、一方で、バリュー株、特に金融やエネルギー関連、自動車などは大幅上昇するなど、極端な物色となりました。サイズでは若干ながら大型株優位となりました。
弊社の主要戦略のパフォーマンスはバリュー相場の加速によるスタイル影響が大きくなり、オポチュニティやイールドは大きくアウトパフォームした一方で、小型、マイクロ、グロースは大きくアンダーパフォームし、コア、サステナブルは若干のアンダーパフォームとなりました。
出所:Bloomberg、シュローダー、各戦略コンポジット(運用報酬控除前)、超過収益は対ベンチマーク、TOPIX配当込及びRussell/Nomura Small Capインデックス、Micro Capインデックス
アメリカ出張を振り返って
高田 亮太
日本株式 アソシエイト・インベストメント・ディレクター
本コラムでは、日本株式運用チームのファンドマネジャー、アナリストが毎月入れ替わりで市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。
シュローダー日本株チームでは、世界中の投資家からの運用委託を受けており、その中にはアメリカの投資家も含まれています。このため、既存の投資家のお客様や新規に投資を検討されているお客様にお会いしに行くことがあります。
9月末にアメリカに出張し、アメリカのお客様と日本株市場について議論する機会を得ました。昨年訪問時には、「興味はあるけど、最後の一歩が踏み出せない」といったフィードバックが多くございましたが、今年に入ってからはその傾向が変わり、問い合わせが増加するなか、より具体的な議論が行われるようになりました。
投資家の注目は特に年初来で出遅れている小型株に対する注目度が強く見られたほか、東京証券取引所による要請なども注目される中、日本企業の更なる変化に期待が集まっているように感じられました。
「どのようにエンゲージメントを進めているのか」「投資先の取締役になることもあるのか」などのように企業とのエンゲージメントに関する質問を多くいただく中で、シュローダーとしてエンゲージメントに力を入れている点をしっかり説明してまいりました。
シュローダー日本株チームではファンドマネジャーとアナリストで構成されるスチュワードシップ委員会が「コントロールタワー」となり、投資先企業とのエンゲージメント活動を組織的に実施する体制をとっています。そしてアナリスト、ファンドマネジャーから提案のあった企業の中から、弊社での保有状況、エンゲージメントの有効性などを総合的に考慮の上、対象企業をスチュワードシップ委員会にて決定しています。これに加えシュローダーグループとしての気候変動エンゲージメントも行っております。シュローダーはアクティブ・オーナーシップの実践に向けて「エンゲージメント・ブループリント」を公表しました。ネットゼロに向けた全社的な取り組みとして、投資先企業の気候変動リスクに関する開示やCO2削減の取組を推進するエンゲージメントを行っております。このように、シュローダーではエンゲージメントは運用プロセスの一環であり、エンゲージメントによる課題解決によって中長期に企業価値が高まると考え、総力戦で取り組んでおります。
話をアメリカに戻しますと、ニューヨークオフィスの同僚の中でも、日本株に対する関心が高まっており、顧客ミーティングの合間を縫って行った社内勉強会においては大勢の参加者が殺到し、熱心に質問をしてくれました。また、隙間時間でミーティングをした同僚との会話からは日本食をはじめとした日本文化にも再び注目が集まっている点も喜ばしい点でした。
アメリカの投資家は、会社の変化などに注目しながら、日本株市場のポテンシャルを最大限に活かすことを目指しています。今後も市場の動向を注視しつつ、投資家との対話を通じて日本株の魅力を伝えていきたいと思います。
本資料は、情報提供を目的としてシュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が作成した資料であり、いかなる有価証券の売買の申込み、その他勧誘を意図するものではありません。弊社はお客様との投資一任契約の締結という形態にて機関投資家のお客様に運用戦略をご提供させて頂きます。本資料に示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。本資料は、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、弊社はその内容の正確性あるいは完全性について、これを保証するものではありません。本資料に記載された特定のファンドに関する情報は、本資料でご紹介する運用戦略等を説明するための参考情報として記載したものであり、当該ファンドの募集その他勧誘を目的としたものではありません。本資料中に記載されたシュローダーの見解は、策定時点で知りうる範囲内の妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。シュローダー/Schroders とは、シュローダー plcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。本資料を弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。
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