市場環境
2月は第3四半期決算において企業業績の堅調さが確認されたことに加え、世界的に半導体関連株が買われる中で堅調な動きとなり、外国人投資家の買いが相場を牽引して大幅上昇となりました。日経平均では+7.9%と1月に続き大型株の上昇が顕著でした。TOPIX(配当込み)は+4.9%の上昇となり、年度初来では+35.3%となっています。
出所:Bloomberg
主要戦略運用パフォーマンス
市場動向としては、好業績を背景に株価が大きく上昇した自動車関連に加えて、政策保有株の売却方針がニュースとなった保険の他、石油・石炭製品、証券・商品先物取引、その他金融などが大きく上昇した一方で、繊維製品、海運、建設の他、食料品、電気・ガスなどのディフェンシブ業種などが軟調でした。前月と同様、スタイルではバリュー優位、規模別では大型株主導の相場で小型の出遅れが継続しました。弊社の主要戦略のパフォーマンスは、前月の逆風のトレンドが継続し全般的に厳しい結果となりました。個別銘柄効果の奏功でマイクロはほぼ中立、バリュー優位の中でイールドは若干のアンダーパフォーマンスとなりましたが、コア、小型、グロース、オポチュニティ、サステナブルと比較的大きなアンダーパフォーマンスとなりました。
パフォーマンス一覧速報(対ベンチマーク超過収益)
出所:Bloomberg、シュローダー、各戦略コンポジット(運用報酬控除前)、超過収益は対ベンチマーク、TOPIX配当込及びRussell/Nomura Small Capインデックス、Micro Capインデックス
CEOの3類型
ジョシュア・ベニソン
アナリスト
本コラムでは、日本株式運用チームのファンドマネジャー、アナリストが毎月入れ替わりで市場や業界での注目点、気になった話題などをご紹介します。
私はこれまで素材株を担当して企業調査を行ってきましたが、昨年、新たに製薬会社をカバレッジに追加しました。素材業界と製薬業界には多くの違いがありますが、いくつかの点では非常に似通っています。日本の化学企業は、進化を続ける半導体の原材料を供給しており、強靭な研究開発プロセスと長期計画が必要です。製薬会社も同様に、モダリティや治療領域に基づいた長期計画と研究開発が必要であり、常に特許の切れ目という脅威が存在しています。最近、私は企業のミーティングで「製品が優れていれば、それ自体が売れる」という言葉を聞きました。それは一定の程度まで真実かもしれませんが、常にその分野の最先端に立ち、優れた製品を作り出すためには、情熱とビジョン、強い職業倫理を持つ素晴らしい人材が必要です。特に、CEOにはこれらの特性が求められます。
最近私が読んだ本の中に、Tony Faddellの「Build」という本があります。彼はApple社でiPodとiPhoneを作り、その後Nest社を共同設立しました。本の中で、私が興味を持ったのはCEOの分類に関する部分でした。彼によれば、一般的にはベビーシッター型、親型、無能型の3つのタイプのCEOが存在するとされています。ベビーシッター型のCEOは、会社を安全で安定した状態に保ち、リスクを取りません。これは通常、サラリーマン型のCEOと呼ばれます。親型のCEOは、大きなリスクを冒して大きな報酬を得ることを目指します。彼らは革新的で、会社を進化させます。無能型CEOは、単に仕事をこなせない人物です。当然ながら、投資家にとっては、会社の価値を推進する「親型CEO」を持つ会社への投資が望ましいです。何人ものベビーシッター型CEOが続いた会社において、親型CEOへの変更は株主にとって重要なカタリストとなり得るため、投資家はこれに注意を払うべきです。
親型CEOを持つ会社への投資機会を探している場合、きっかけとなり得るのはCEOの交代です。CEO交代の発表時には、アナリストが自ら分析を深める必要があります。まずはCEOの経歴を確認します。彼らは新しく核となるビジネスの成長や既存事業の立て直しを通じて価値を創造してきた経歴を持っているでしょうか?CEOは確かなコーポレートガバナンス構造のもとで選ばれたのでしょうか?またCEOは新しい中期計画ならびに、価値の推進に向けた意義のあるKPIを発表したでしょうか?彼らの報酬体系は株主と一致しているでしょうか?先ほど述べたように、彼らは情熱とビジョン、強い職業倫理を持っているでしょうか?日本では、非効率なバランスシート、アナログなプロセス、洗練されていない価格メカニズムなど、株主に価値を提供するために対処できる点が多く存在します。銘柄選択を通じて市場を上回るリターンを獲得するために、引き続き、こういった変化の種に注意を払っていきたいと思います。
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