ユーロ株式市場は、1月下旬から2月上旬にかけて約７％下落しました（MSCI EMUインデックス（トータルリターン）ベース、ユーロベース。2018年1月23日から2018年2月6日にかけての騰落率）。ユーロ株式市場の今後の見通しについて、シュローダーの欧州株式チームヘッドであるローリー・ベイトマンの見方をご紹介します。
株式市場下落の原因
これまで株価変動性（ボラティリティ）の低い状況が暫く続いていましたが、今回の下落は、ボラティリティの低い状態が継続すると見込んでいた投資家が、米国で1月の雇用統計を受けて金利が急上昇したことを契機に、投資家が株式を売却する動きに出たことがきっかけとなりました。
今後の見通し
ユーロ株式市場と米国株式市場のボラティリティを比較した場合、ユーロ株式では米国株式ほどの上昇は見られないことから、ユーロ圏における今回の株式市場調整の影響は、米国に比べ相対的に小さいと考えられます。実際、翌2月7日のユーロ株式は一転して２％前後の上昇に転じています。株価の調整がどの程度の期間に亘って続くかを予測することは困難といえますが、ユーロ圏を取り巻くマクロ経済環境や企業業績は総じて良好に推移している現状を踏まえると、一時的な現象となる可能性が高いと考えています。
株式市場でのボラティリティの上昇は、アクティブ投資家にとって不当に売り込まれた銘柄を発掘する好機となります。企業の成長性や質、株価の割安度など様々な視点から魅力ある銘柄に幅広く投資を行い、様々な市場局面を通じて安定した超過収益を追求するユーロ株式戦略においても、この機会を積極的に活用してゆく方針です。
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