中国A株投資の魅力とは

2019年8月13日

著者

ルイーザ・ロー
グレーターチャイナ株式 ヘッド

中国の国内株式市場は足元存在感が増しており、投資家にとって魅力的な長期的な投資機会であると考えます。しかしながら世界経済の成長に占める中国の割合と、世界の株式市場に占める中国の割合とには依然大きな乖離があります。現在、中国株式は、MSCI ACWIの約34%しか占めていないのに対し、世界のGDPに占める中国の割合は約15%です。こうした環境下、中国当局が海外投資家に対し市場開放を進めていることや、MSCIが中国A株の株式指数への組み入れ比率を引き上げると決定したこと等を踏まえ、シュローダーでは、中国株式市場の存在感は急速に高まるものと考えます。

 

中国株式への投資方法

現在投資家が中国株式へ投資する方法として以下が挙げられます。

  1. 香港上場(H株やレッドチップ、Pチップ等)
  2. 米国NASDAQ市場に上場している預託証券(AlibabaやBaiduといった大型テクノロジー銘柄等)
  3. オンショア国内市場(A株)

このなかで特にA株については、近年、市場開放が進みアクセスが改善しつつある市場であり、2014年に上海・香港、2016年に深セン・香港ストックコネクト制度が導入された結果、海外投資家は香港証券取引所を通してA株への投資が可能となりました。

中国国内の個人投資家による独占状態

A株市場は、依然国内の個人投資家による独占状態が続いています。日次売買高のうち、A株市場では約80%を個人投資家が占めているのに対し、香港市場では約35%に留まっています。個人投資家の比率が高いことは、A株市場が先進国株式市場と比べ変動が高まる要因の一つに挙げられると考えます。これは、個人投資家は通常投資ホライズンが相対的に短く、マーケットイベントにも敏感なため、売買が多く発生しがちなためで、市場の非対称性を生かすことのできるアクティブ投資家にとっては有利な市場であるといえます。

投資家の関心の変化

過去数年間、中国における経済成長を消費が牽引してきたことを背景に、投資家が関心を持つ銘柄も変化してきました。インフラや銀行、通信といった「オールドエコノミー」銘柄から、生活必需品や食品・飲料といった消費財や、ヘルスケアや一般消費財、情報技術等「ニューエコノミー」と呼ばれる銘柄へ関心が移っており、この流れは今後も続くものと考えます。

また、その他表れてきた投資機会としては、中国国内での質の高い製品への需要があり、生産性の向上が課題となっている中、自動化技術にまつわる投資機会も見られると考えます。

A株市場の魅力

このように中国が大きく変化しつつあるなかで、香港市場がテクノロジーや銀行、コモディティセクターが市場の大半を占めているのに対し、A株市場のセクター構成はバランスが取れていることから、投資家にとってはより分散の効いたポートフォリオを構築することが可能になるといえます。

また、中国株式市場はグローバル株式市場との相関が相対的に低いことも魅力的です。エマージング市場であることから変動は相対的には大きくなりますが、株式ポートフォリオに中国株式を組み入れることは、分散の観点から有効性があると指摘できます。

また、コーポレートガバナンスに改善が見られつつある点もポジティブにみています。先進国と比較すると相対的には対応に遅れが見られるものの、機関投資家によるエンゲージメントの増加等を背景に、今後は中国国内におけるESG基準も改善されると考えています。

 

 

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