新型コロナウイルス感染拡大の欧州経済への影響と各国の対応
新型コロナウイルスの感染が3月以降欧州全域で急速な拡大をみせる中、各国政府は外出規制や入国制限など感染の拡大を封じ込めるため様々な対策を続けています。また、これら感染抑制策の経済への影響は既に企業活動などに出始めており、今後個人消費などにも影響が出てくることが予想されます。このような環境下、各国政府や欧州中央銀行(ECB)は、域内経済への影響を抑制するべく、既に様々な対策を打ち出しています。
欧州経済の今後の景気見通し
今後の景気動向を見極める上では、世界的な感染拡大が終息に向けて今後どのような推移をたどるかが重要であると考えていますが、仮に現在の感染状況が今年前半に向けて終息に向かった場合、2020年後半以降、ユーロ圏景気は回復・拡大局面(V字回復)を迎えるとみています。
2020年のユーロ圏経済については、4-6月期を中心に厳しさを増し、-5.7%程度の景気後退になると見込んでいますが、世界金融危機(GFC)の影響から経済成長が -4.5%程度の落ち込みとなった2009年と比較すると、落ち込み幅は相対的に大きくなるとみています。しかし、2021年のユーロ圏経済については、+7.1%程度の回復・拡大を見込んでおり、2010年から2019年にかけての成長が +2%前後で推移してきた状況を踏まえると、力強い回復・拡大を見込んでいます。
世界金融危機の際には、企業や個人が借入・債務の圧縮に時間を要したことから経済規模が危機以前の規模にまで回復するのに数年間を要しましたが、世界的なウイルス感染の拡大に伴う経済活動の縮小という今回の場合、今年前半に感染が終息に向かった場合には、回復までに要する期間は相対的に短いと見込んでいます。
企業業績見通しと株価見通し
まとめ
2019年は、米中貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱、世界的な景気減速など様々な要因から、投資家が欧州株式を敬遠する要因が多くありましたが、これらの要因も株式市場の上昇を妨げるには至らず、ユーロ圏株式の株価指数であるユーロ株式指数(MSCI EMU Index)は、2019年は約25.5%の上昇となりました(現地通貨ベース)。
2020年に入り、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大という新たな要因から、ユーロ圏株式市場は乱高下している状況です。新たなリスク要因から市場が厳しい環境下に置かれている状況ではありますが、これら一過性の要因に左右されず、投資機会を発掘することが重要であると考えています。今後、市場環境が改善しユーロ株式への流入資金が戻ることは、ユーロ圏株式市場にとって重要なサポート要因になると予想されます。様々なリスク要因が混在する現代、これら様々な要因によって乱高下を続ける世界の株式市場にあって、引き続きユーロ圏株式の投資機会を見極めてゆくことが重要であると考えています。
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