SustainEx:企業が持つ社会や環境に対するインパクトの測定

2019年7月5日

著者

アンドリュー・ハワード
サステナブル投資グローバル・ヘッド

企業が社会で果たしている役割に対する視線が厳格化しているなか、シュローダーでは企業が持つポジティブ・ネガティブな社会的インパクトを定量化するための枠組みとしてSustainEx開発しました。これまでは社会が負担してきたコストに対して企業側の責任が求められるケースが増加していますが、企業が持つ社会的な外部性を数値化することで、それらが企業に転嫁された場合にどの程度の影響が及ぶのかを測定することができます。SustainEx活用することで、アナリストやファンドマネジャーは、企業が持つ社会や環境に対するインパクトを測定、より適切に管理することが可能となります。

 

企業成長と社会的なコスト

これまでの数十年間、社会や環境課題が増加するなか、大企業は大きな成長を遂げてきました。法人税は引き下げられ、実質賃金も上昇することはなく、環境へのダメージに対する罰則も無いことを背景に、企業は現在の利益を最大化することに注力し、社会や経済において自分たちが引き起こしているコストは軽視される傾向にありました。

このようなコストが上昇するにつれて政府だけが負担することは困難になりつつあり、企業に対して自身が発生させたコストの責任を取るよう、社会からのプレッシャーや政府の介入が強まっています。例えば、最低賃金法や砂糖税、ギャンブルに対する制限、炭素価格制度等が挙げられます。これらが導入され普及すると、これまで外部不経済として社会が負担してきたコストを企業自身が内部化し、負担することになります。この流れが続けば、自社の製品や経営が持つ負の社会的コストが高い企業は、成長に対する圧力が強まることが想定されます。

SustainEx企業が発生させている社会および環境コスト・利益を定量化する

SustainExは、全ての負の外部性が価格付けされた場合に企業が負担することになるコスト、逆に企業の有益性が経済的に認識された場合の企業成長を測定することができます。

SustainExは、アナリストやファンドマネジャーが、これらのリスクを認識し、適切に投資判断に反映させることを目的に開発されました。経済のロジックを用いて学術的な分析と企業データを結び付け、これまで考慮されてこなかった社会・環境に対するコストや有益性を、企業個別に計測します。これまで400以上の学術研究を基に47種類の外部性について調査し、約9000社の分析を行いました。(図表1)

 

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アンドリュー・ハワード
サステナブル投資グローバル・ヘッド

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